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反対派の精神構造と思考構造
婚外子が少ないから健全?

反対論者の中には、日本には婚外子(非嫡出子)の割合が少ないから、
社会が健全なのだなどと、うそぶく人もいるようです。

日本が極端に少ないことは事実で、下の図のグラフを見れば一目瞭然です。
これは婚外子の占める割合を、国ごとにグラフに現わしたものです。
北ヨーロッパの国は、半数を超えているところもあります。
イギリスや、フランスなどでも、40%程度が婚外子です。
いちばん少ない国はイタリアですが、それでも10%くらいです。

これに対して、日本の婚外子の割合は、わずか2%程度です。
近年になって、すこしずつ増えているとはいえ、
欧米諸国とくらべると、けたで少ないというきわ立ちようです。




ヨーロッパの国ぐにやアメリカで、婚外子の割合が高いのは、
非嫡出子に対する差別がすくなく、社会の中で、
ふつうに受け入れられて、暮らしていられるからです。
社会的な保証も、日本よりずっと整っていますし、
こういったことが、婚外子の割合を高くしているのでしょう。
法律の上では、すでに「嫡出」という概念がなく、
婚外でも婚内でも、子どもはみんな同等の扱いになります。

日本はいまだに、「法律婚主義」を理由にして、
婚外子の相続差別(婚内子の半分しか相続できない)を続けています。
これは、条約不履行(子どもの権利条約、人権規約B)で、
国際連合から、くりかえし警告を受けているのですが、
こうした国は、日本のほかには、フィリピンだけとなっています。

また、日常的なレベルでも、アメリカや、ヨーロッパでは、
婚外子は不道徳といったような、特別視が少なくなっていますが、
日本では、婚姻外の子どもを持つことはけしからん、
という雰囲気が、まだまだ強くなっています。
反対論者が、婚外子が少ないのを健全と考えるのも、
婚外子はふしだらな男女関係の結果とでも、思っているのでしょう。

そういえば、「できちゃった婚」というものがありますが、
これはほとんど、日本にしかないことだそうです。
「子どもができちゃったから結婚しなきゃ」という
観念にかられるのは、それだけ「婚姻届けを出すのが正しい結婚」
「結婚していないのに、子どもを作るのはけしからん」という、
社会通念が強いことを、物語っていることになります。


日本の異様なまでの非嫡出子の少なさは、
それだけ婚外子が、強く忌避されるからにほかならないです。
ようするに、婚外子差別が根強いということであり、
差別がまかり通るぶんだけ、社会が不健全だと言えるでしょう。
これはまた、法律婚主義の徹底や、それによる届け出へのこだわり、
強い貞操観念、事実婚やシングルマザーへの社会的偏見や、
社会制度の不備といったことの反映であるとも言えます。

反対論者たちは、自分と同じ偏見にまみれた感覚で、
外国でも婚外子が扱われていると、思っているのかもしれないです。
外国の事情は違うことをわかろうとせず、自分の価値基準で、
安易に外国を測るという意味でも、このましくないと言えます。

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