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反対派の精神構造と思考構造 うそをつく反対派 |
選択別姓の反対論者というのは、その政治目的のためなら、 うそをついたり、デマを流すことも、なんとも思わないようです。 身近なところでは、電子掲示板があります。 これはみなさまも、とてもよくご存知のように、匿名性が高く、 物的証拠が少ないですから、欺瞞を働きやすいわけです。 具体的な手口ですが、どこの掲示板でもあることとして、 ハンドルを変えて別人を装おう、というのがあります。 もちろん、自分と同じ意見の人が多いと見せかけたり、 自分の意見を弁護したりするために、ほかならないです。 別人を装おうほか、プロフィールをいつわることもあります。 独身の男性なのに、専業主婦だと言ったり、 結婚していて子どもがいるなどと、言ったりすることがあります。 一般に、女性は同姓強制で、被害を受けることが多いですから、 女性で反対していると見せかけることは、とても効果的になります。 それでも、たいていは稚拙で、投稿の文体、思想、内容の矛盾、 あるいは行動パターンなどから、わかってしまうことがほとんどです。 関係者しか知らないことを書いて、足がつくこともあります。 いつもと同じ反対派が、また来ていると気がつくと、 掲示板の参加者は、それとなく避けたり、遠回しにほのめかしたりします。 そんなことをしないで、堂々と表立って追求しないのかと、 これをご覧のあなたは、お思いになるかもしれないです。 ところが、IPアドレスが同じでもないかぎり、 同一人物という決定的証拠は、たいていないことが多く、 強弁すれば、かなり言い逃れができてしまいます。 じゅうぶんな証拠立てができなければ、疑った相手に対して失礼ですし、 逆に糾弾を受けることさえあって、結構リスキーだったりします。 あるいは、何度も繰り返すなら、掲示板の管理者は、 そんな人を投稿禁止にしたりしないのかと、思うかもしれないです。 ところがそれも、IPアドレスを変えればすんでしまうので、 「気休め」程度の処置にしかならず、簡単には追い出せないのです。 かくして、なにも言われず、放っておかれることが多いのですが、 本当にばれていないと、本人は思っているのか、 「はだかの王さま」でも、だれも「服を着ていない」と言わなければ、 ばれていないのと同じと思っているのか、それはわからないです。 ほかにも、反対派が、変名で投稿していると見抜くには、 過去のことにある程度、通じている必要があります。 それで、事情を知らない新参の人が、反応してしまうこともありますし、 反対論者は、それをわざと狙っていることもあります。 そしてたまになのですが、きわめて巧妙で、だれにも気付かれずに 長いこと化け続けることがあるので、油断がならないです。 |
電子掲示板で議論しているだけなら、余興みたいなものですから、 まだ容認できるでしょう。(え? もうじゅうぶん許せないって?) ところが、個人のサイトやブログで、あきらかに事実無根なことを、 書いていたりすると、もっと問題になると思います。 わりあい見え透いたものとして、「スウェーデンは世界でだたひとつ、 選択別姓を導入している国だ」というものがあります。 そのつぎは、スウェーデンの国情をひたすらあげつらって、 選択別姓のせいで失敗しているという、アジテーションになります。 実際には、結婚後の苗字を法律で定めている国は、 ほとんどが、夫婦別姓が選択できるようになっています。 デンマークなど北欧諸国は、スウェーデンと同様の選択制です。 このように、すこし調べれば、すぐにわかることを平然と書く神経が、 わたしには、わからないのですが、それでも堂々とサイトにあると、 信用してしまうかたも、いらっしゃるのだろうと思います。 もっと巧妙なものとして、「スウェーデンの離婚率は50%」があります。 これだけ聞いていると、結婚したカップル2組のうち、 1組が離婚しているような気がしてきます。 そして、この「高い離婚率」を、選択別姓のせいということにして、 別姓夫婦は離婚しやすいという「根拠」にすることになります。 ところがよく調べてみると、50%というのは、 結婚数と離婚数の比を、取っているだけのようなのです。 2006年に日本の死亡率は、出生率を上回りましたが、 これを「日本の死亡率は100%を超えた」と言うようなものです。 離婚が多いと思わせるための、こけおどしにすぎないとも言えます。 ちなみに、この数えかたをすると、イギリスやドイツなど、 ヨーロッパのほかの国も、ほぼ同率になります。 日本の「離婚率」も、2004年現在で約38%になります。 スウェーデンがとり立てて、離婚が多いのではないことがわかります。 それでも、スウェーデンの離婚率は50%というのは、 あちこちのウェブを見ていても、信じているかたも多いようです。 「うそも百編言えば」と言いますが、反対論者のアジテーションは、 スウェーデンの家族の現状は、なんとなく暗いかのような印象を、 多くの人たちに持たせることに、実際にも役立っているようです。 ほかにも、「選択別姓を導入したため、スウェーデンでは、 少年犯罪が増えた」などと言うことがあります。 こんなことを示すデータなんて、どこにもないですし、 実際に反対論者が示したことはなく、まったくのデマと言えます。 ところが、一般の人たちのみならず、大学の教授までが、 自分のウェブサイトや著作に、こうしたデマを、堂々と書いていたりします。 一般の人たちに与える影響を考えると、きわめて悪質と言えるでしょう。 |
反対論者というのは、現実の政治活動の中でも、 でたらめを言うこともあるので、おそろしくなってきます。 2001年から02年にかけて、選択別姓導入の動きが活発だったころですが、 反対派たちは、導入反対の署名活動をしたことがありました。 02年4月に開かれた、「日本女性の会」という反対派の集会では、 約180万の署名が集まったと、発表されたのです。 180万というと、70人にひとりくらいが、署名していることになります。 知り合いの中にも、署名した人はそれなりにいるという数です。 署名を集めていた期間も、半年程度なので、 もっと話題になっていても、よさそうに思います。 ところが、そんなお話は聞いたことがない人が、ほとんどでしょう。 じつは、この署名の数は、本当は54000だったのです。 反対論者たちは、自分たちは、大勢から支持されていると思われたくて、 あきれはてるような、さば読みをしたのだろうと思います。 54000という数でさえ、組織票がだいぶ入っていると言われていて、 実際に署名を連ねた人は、もっと少ないと考えられます。 それでも、180万の署名を理由にして、反対論者たちは、 あちこちで示威活動をしていた、というお話です。 2007年3月に、この「日本女性の会」の小野田町枝会長が、 三重県の津市で、家族や教育に関する講演を行なったのですが、 このときは、署名の数がどういうわけか、350万になっていました。 わたしにも、よくわからないですが、反対論者たちにとって、 署名というのは、いつのまにか増えていくのかもしれないです。 うそつきのきわめつけは、やはり山谷えり子氏だと思います。 彼女は、2000年の衆議院総選挙で、民主党から出馬(比例東海ブロック)、 拘束式名簿で1位でしたから、当選を果たしました。 民主党は、民法改正は賛成で、党議拘束もかけられていました。 したがって、山谷議員も当然賛成していると、だれもが思っていました。 ところがとつぜん、2002年の3月号の『諸君!』で、 自民党の高市早苗議員、西川京子議員といっしょになって、 選択別姓反対の記事を、書いてくれたのです。 山谷えり子議員は、もともと選択別姓に反対だったのだと思います。 それを隠して民主党に入りこみ、ここにその本性を現わしたのでしょう。 あとから山谷議員のサイトを読み返すと、選択別姓のコンテンツは、 賛成とも反対とも取れる、巧妙な書きかたでした。 産経新聞に勤めていたとき、山谷氏は通称使用していたことも、 選択別姓に理解があると思わせるのに、役に立ったかもしれないです。 かくして民主党も、山谷えり子氏を信用して、 民主党に投票した有権者も、見事にだまされてしまったのです。 このあと、党の方針に不満のあった、民主党の反対派議員たちは、 山谷氏に触発されて、ふたたび選択別姓の議論を混ぜ返しました。 おかげで約3ヶ月のあいだ、民主党内は混乱することになります。 選択別姓に賛成という方針は、結局は維持されるのですが、 山谷議員は不満だったのか、2002年の12月に民主党を離党して、 保守新党入りしたのち、自民党に合流していきました。 |
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