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反対派の精神構造と思考構造
同性強制に象徴の有用性?

夫婦同姓を強制する根拠として、
「象徴の有用性」を挙げて来る反対論者がいます。
「象徴は人間の集団をまとめるのに効果があるが、
家族の場合それは苗字であり、したがって同姓の強制は、
家族の一体感に役立つのだ」ということです。

ところが、家族の苗字が単一だから、一体が保てたとか、
苗字が異なるから、家族が崩壊したというデータが
あるのかというと、それはまったくしめされないようです。
現在、日本で暮らしている事実婚夫婦や、
国際結婚で夫婦別姓となっている家族を見ても、
苗字のせいで家族が崩壊した事例は、顕在化していないです。
象徴うんぬんが、虚構の主張にすぎないと言えます。


また、人間の心理にもとづくというのなら、
文化圏を超えた、すべての人類に共通する特質のはずです。
ところが、実際には、中国や東南アジア、
スペイン、ラテンアメリカのように、夫婦別姓が伝統で、
結婚改姓という発想がない文化圏が存在します。

東南アジアでは、苗字はむしろ、だれの子かを区別するために、
つけられたもので、ロシア人の「父称」に近いと言えます。
したがって苗字は、家族を表わす記号ではないし、
結婚で変化もしないし、家族の象徴になるはずもないのでした。

「象徴の有用性」なんて、心理学が出てくるので、
「科学的」に聞こえるかたも、いらっしゃるかもしれないです。
ところが肝心の、それを裏付ける事実がないので、
まったくの「とんでも」にすぎないと言えます。
おそらく思い付き程度の理由づけだろうと思います。


反対論者たちは、いろいろと「理由」を考えるようですが、
そのためには、選択別姓の導入で家族崩壊が起きるという、
「事実」や「現象」が、必要になってきます。
そこに実在する、「事実」あるいは「現象」に対して、
それはいったいなぜなのかと、考えていくことで、
「科学的な考察」は、なされていくことになります。

ところが、反対論者たちは、はじめに結論ありきで、
「選択別姓で家族崩壊」という、自分の導きたい結論を、
うまく理由付けすることばかり考えるようです。
「事実」や「現象」を無視して、こんなことばかりしても、
虚構にしかすぎないし、それがいかに「科学的」に脚色されていても、
机上の空論にしかならない、ということをお断わりしておきます。

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