これも聞いたお話で、まことに恐縮なのですが、
インターネットの選択別姓の掲示板で、
選択別姓反対派が、集団主義者だというので、
それはどんな精神構造なのか、というお話があったそうです。
中島義道氏の著作を、ねたにしたらしいですが、
簡単のために、つぎのような例が引き合いに出てきました。
「学校で制服着用の義務をやめて、着たい生徒だけにしたとする。
個人主義者にとっては、他人が私服を着ようと、
自分が制服を着られれば、なんら不都合はないから反対しない。
しかし、集団主義者にとっては、生徒全員が、
自分と同じ制服を着なければならないので反対する。
私服を着る生徒がいると、自分がいくら制服を着られても
『制服』の意味がなくなってしまうからだ。」
このとき、「選択別姓の反対派が全員に、同姓を強制したがるのは、
『みんなボクとおんなじ同姓にしてくれなきゃ、
結婚の意味がなくなっちゃうよー』という、
行きすぎた集団主義者の、たましいのおたけび（笑）だったのね」
という趣旨のレスがついたのでした。
（（笑）がついていたそうです。）
つまり、反対論者には、結婚とは夫婦同姓になるもの、
という「幻想」があり、その「幻想」を社会の構成員すべてに
共有させないと、自分の結婚の意味がなくなると
思っているのだろうと、考えたということです。
すると、掲示板を見ていたらしい
とある頑迷な反対派が、とつぜん怒って出てきて、
「おかしくもないのに、（笑）をつけて、
他人の価値観をいやしめるのは、やめていただきたい。
管理者でなくても、リモートホストを抜いて、
身元を割り出せるので、職場のネットから、
勤務時間中に書きこんでいるのを、通報してやってもいい。」
などという主旨の、脅迫めいたことを言ったのです。
掲示板の議論でやりこめられて、逆恨みした反対派が、
気に入らない参加者のリモートホストを調べて、
職場を割り出し、彼女の勤務先に電話で抗議したことは、
その掲示板で、以前にも、本当にあったらしいです。
このとき反対派が脅してきたのは、まんざら作り話でもなさそうです。
それはともかく、「行きすぎた集団主義者の、
たましいのおたけび」が、反対理由だという反対派は、
実際にいるのではないかと思います。
「別姓も選べるようになると、選択が強制される」なんて、
わけのわからないことを言う反対派もいるのですが、
もしかすると、これも「たましいのおたけび」かもしれないです。
自分ひとりのメンタリティの都合で、
日本中すべての人たちに、おなじことを強いるのですから、
相当わがままで、身勝手きわまりないことになります。
理由そのものも笑われても無理もない、かなりはずかしいものでしょう。
ご存知のように、日本人は「みんないっしょ」と思い込みたがる
国民性ですが、そんな「均一幻想」のなれのはてだと思います。
おそらくは隠しておきたかった、かかる情けない精神構造を、
「たましいのおたけび（笑）」と思いがけずも、笑われたからでしょう。
くだんの反対派は、自制しきれなくなったのだと思います。
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