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お花見はたんぽぽ

わたしは、桜があまり好きでない、というか興味がないんです。
「日本人なら桜だ」と言われても、ぴんとこないです。
もっとさまざまな事情で、お花見が嫌いなかたもいると思いますが、
わたしは、率直に「桜のどこがいいのかわからない」です。

わたしの好きなお花は、いわずもがなのたんぽぽです。
黄色いお花が、たくさん咲いているのを見ると、
とても暖かい感じがして、春が来たことを実感できます。
お花が終わったあとの綿毛も、とてもかわいかったりします。
1株で2回楽しめるお花って、そうめったにないと思うのですが、
見て楽しもうというかた、あまりいないのでした。


そういうしだいなので、桜が満開になっていても、
たんぽぽが咲いていると、わたしは、そちらを見てしまいます。
わたしにとってのお花見は、「たんぽぽ」なのでした。

ある春のうららかな日、たんぽぽが、たくさん咲いているのを
見ていると、「花を見ているのか?」と、声をかけられました。
きゅうだったので、わたしは、ちょっとびっくりして、
「ええ、ああ、はい、そうですね」と、あいづちを打っておきました。

そこは桜並木だったので、声をかけたかたは、
木の上で咲いている、桜のつもりだったんだと思います。
ところが、下の地面のほうで満開になっている、
たんぽぽを、わたしは見ていたのでした。

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