なまけものの南風は、いつも寝そべって、
野原をぼんやりとながめていました。
ある春の日のことでした。
南風は、野原に美しい黄色い髪の娘を見つけました。
そして一目で恋に落ちてしまいました。
南風は、胸をときめかせて、
毎日黄色い髪の娘を、見つめるようになりました。
ところが、しばらくたつと、信じられないことが起きました。
あの黄色い髪の娘が、白髪の老女になっていたのです。
南風は、悲しみのあまり、大きなため息をつきました。
すると、そのため息に飛ばされて、
白髪の老女もいなくなってしまいました。
こんなお話から、たんぽぽの花ことばは、
「思わせぶり」になったのだそうです。
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