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どっちが無責任?

インターネットを見ていると、「この情報が正しいかどうかは、
見ているあなたの判断にまかせます」のような、
ことわり書きがあったり、あるいは、もっとはっきり
「このサイトを信用してなにかあっても、当方は責任を取りません。
すべてご自分の責任でおねがいします」のようなことを、
書いているサイトが、たくさんあります。

わたしは、これをはじめて見たとき、とても無責任と思いましたよ。
はじめから、まちがいを垂れ流すことを、前提とするような
もの言いにも受け取れて、読み手への責任転嫁に感じられたからです。

書籍や雑誌などの紙媒体に書く、プロのもの書きのようには、
いかないでしょうけれど、しろうとであっても、書くからには、
まちがいは書かないことを前提とする、くらいの責任は負うべき、
(実際にまちがえることがあるにしても)というのが、
わたしの、それまでのモラルだったのです。

ところが、ネチズンの中には、わたしが思っていた
「無責任な態度」を、自分の情報に誤りがある可能性を
保留しているので、謙虚な態度と思っているかたもいて、
ウェブの情報発信は、かくあるべきとさえもお考えのようです。
そして、わたしが思っていた「責任ある態度」は、
「自分の情報にまちがいがないと言っている」と聞こえるらしく、
自分の考えを絶対視している、傲慢な態度にさえ映るようです。


発信した情報に誤りがあったとき、紙メディアでしたら、
「まちがいを書くのが悪い」と、書いた側が批判されるのが一般的です。
ところが、インターネットでは、まちがった情報があったとき、
「自分のアタマで考えずに、鵜のみにしたのが悪い」と、
信用したほうが批判されるのが、「常識的」だと思います。

古典的な紙メディアは、情報を発信する側が、
責任を持つのに対し、しろうとが書くウェブ媒体は、
情報の受け手が責任を持つとされると、言ってもいいでしょう。
インターネットに文章を書いて、発信するくらいの人たちは、
自分の言いたいことを言いたくて、しょうがないでしょうから、
まさにそういう人たちならではの発想とも言えそうです。

どちらがいいのか、わたしの見解を述べるのは、やめておきます。
はっきり言えるのは、責任を読み手に押しやるウェブ媒体は、
書き手が責任を負う紙媒体と比べて、情報のクオリティが低いものが、
多くならざるをえない、ということでしょう。

(そんなのあたりまえで、ちっともひねくれてないって?
この「あたりまえ」を、忘れている感じの人、意外といるんですよね...)

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