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政敵や論敵に釘を刺す 女系天皇容認問題を題材として 釘を刺す |
2006年9月6日、紀子さまが、親王(男児)を出産なさりました。 日本の皇族では、男児誕生はじつに41年ぶりのことです。 メディアは、たちまちお祝ムード一色となりました。 季節はずれのコイのぼりで、祝っている人たち(参照)も、 そんなメディアで目立つところには、いらっしゃりました。 日本の皇族は、9人続けて、内親王(女児)が産まれていました。 いまの皇室典範では、男子しか天皇になれないので、 このままいけば、天皇家断絶がいやなら、法律を改正して、 女性も天皇になれるようにするしかないところでした。 小泉純一郎首相(当時)は、「皇室は最後の抵抗勢力」と、 いつものようにワンフレーズを唱えて、改正にもっていこうとしました。 ところが、男性天皇、男系天皇の維持派は、根強く反対したのでした。 お世継ぎのない状況が、これだけ長く続いているにもかかわらず、 Y染色体がどうしたとか、あれこれ理由を並べてしつこく抵抗していました。 しかし、このたび男の子が産まれたので、かかる男系維持派たちは、 これでつぎの代の心配は当分なくなったと、大よろこびです。 そして、皇室典範を改正して、女帝や女系天皇を認めるか、 という議論は、たちまち忘れ去られてしまいました。 世論を背景に、「官邸主導」の強権を振るい続けた、 「パトスの首相」も、こればっかりは、どうにもならなかったようです。 こうした中にあって、「そんなにオトコだといいのかよ?」と、 理不尽に思うかたも、やはりというか、いらっしゃりました。 あるいは、世論調査では、女帝(女系)容認のほうが、 圧倒的に多いのに、それが無視されて、男子、男系が維持されるのは、 非民主的でさえあると、お考えのかたもいらっしゃります。 世論調査は、たとえば、毎日新聞が、05年12月10-11日に 行なったものが、Wikipediaに紹介されています。 これによると、「男系を維持すべきだ」が22%に対して、 「女系も認めるべきだ」が71%になっています。 |
女帝(女系)を容認する、多数の世論が無視されて、 男子のみの現状が維持されるのは、女帝(女系)を推進する、 積極的な動きがどこにもないからだろうと、わたしは思います。 世論調査で、女系容認と答えた人たちは、おそらくは、 そのほとんどが、「天皇制なんて、自分とは関係ないし、 本当のところどうでもいい」ではないかと思います。 実際にある世論は、大部分の「女系は容認だけどどうでもいい」と、 ごく一部の「女系断固反対、男系徹底維持」だと思います。 どうでもいいというのは、自分の意見は無視されてもかまわないと、 見なされますから、一部の強硬的な、女系反対の意見ばかりが、 通ってしまうのは、ある意味あたりまえとも言えます。 「女系反対、男系のみの維持」というのは、 じつは国民の意志が、適確に現われたもので、 きわめて民主的な結果なのだと、わたしは思います。 女系容認派は、関心を持たず、積極的にならないことで、 男系維持派の好きなようにさせていることになります。 これによって結果的に、男系維持派に加担しているのだと思います。 さて、あなたが、「天皇制なんて関心ないんだけど、 女系、女帝は認めたほうがいい」と、お考えのかただとすると、 もしかすると、ここまで読んで、気分が悪くなったかもしれないです。 ところが、あなたは、「私の意見は、『女系を認めるべき』です。 女系も女帝も反対しないし、男系維持派ではありません」と、 わたしに対して、強調するだけだろうと思います。 はっきり女系容認だと言っているのに、それだとどうして、 男系維持に加担したことにされるのか、理解できないかもしれません。 しかし、政治はとくにそうなのですが、 こうしたことは、本人の意図や意志がどうであろうと、 結果によって、すべてが判断されてしまうことがあります。 「自分はそんな意図はない」と、いくら言い張っても、 あなたの行動が、結果的にでも、男系維持に役立つことになったなら、 「男系維持に加担した」と見なされることになります。 |
納得いかないなら、せめて男系維持派の、妨害をする必要があるでしょう。 「天ちゃんなんてキョーミないし、この際どうでもいいんだけどね。 でも、男系維持に固執するあの連中は、とうてい容認しがたいので、 邪魔立てしてあげましょう!」です。 ところが、あなたは、政敵や論敵の妨害が目的という、 「釘を刺す」だけの活動も、いさぎよしとしないのではと思います。 意見が異なるとはいえ、彼らの妨害をすることは、 思想の自由の侵害であり、不寛容なことだと、 反対さえするのではないかと思います。 あるいは、興味がないどうでもいいことのために、 そんな活動をするより、やることはほかにたくさんあると言って、 行動に移そうとする人を、やめさせようとするでしょうか? (それとも、ライバルを蹴落とせと言うなど、 「コイズミ的」で怪しからんと、たんぽぽを非難するのかな?) 「釘を刺す」のも嫌だというなら、だまって見ているだけです。 そして、「男系維持派の妨害をするくらいなら、 男系維持に賛成してもよい」ということなのだなと、 残念ながら、あなたは、判断されることになります。 女帝(女系)を容認するか、という問題は、 ちょうどそうなっているケースなので、題材にしてみました。 一般に、「相手の釘を刺す」ための活動を、悪いことのようにとらえるかた、 あるいは、「釘を刺さないと、相手に協力したことになる」という 発想が出てこないというかたは、結構多いように、 わたしは思うのですが、いかがでしょうか? |
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