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民法改正運動の展開 - 2009年
反対派の勢力はどのくらいか

民法改正の見通し 造反確実?

さきの総選挙で、民主党が第1党となり、悲願の政権交代となりました。
議会勢力が変化すると、民法改正の反対議員はどれくらいいて、
その影響力はいかほどなのかが、気になってきます。

民主党は「政策インデックス」の中に、
民法改正の早期実現があって、政党としても、
民法改正の実現に理解のある、もっとも大きな勢力です。
じっさい賛成派議員もたくさんいて、日夜活躍しています。
自民党政権のころよりは、民法改正が実現する可能性は
格段に大きくなっているのはたしかでしょう。

最大の懸案事項は、自民党よりはずっとすくないとはいえ、
まだいくらかいるらしい、反対派議員だと思います。
新人議員の中にも、反対派がいるのもたしかなようです。
これらの人たちが、法案提出や採決のときに、
なんらかの妨害をしてこないかと、心配されるところです。


民法改正の反対派のリストがあればよいのですが、
残念ながら見当たらないです。
名前も数も見えないのは、なにかと不安だろうと思うので、
ある程度近いと考えられるものとして、
従軍慰安婦の補償に反対した議員のリストをご紹介します。

「"THE FACTS"組の2009衆院選挙結果」
「民主党の左旋回に党内保守派はどこまで抵抗できるのか」(脚注(2))

民主党のところを見ると、「The Facts」が11人で、
「検証する会」が17人(名古屋市長に転出した
河村たかしをのぞく)ですが、両方に参加の議員がいるので、
前職は16人(衆参合わせて)になります。


民主党は308議席を取っていますが、前職に新人を合わせても、
反対派議員が68人もいることは、たぶんないだろうと思います。
賛成の議員だけで、240人は超えていると思われるので、
どうしても議論が紛糾するなら、党議拘束をはずして、
「勝手にすれば」と自主投票させるかもしれないです。

審議入りして採決までこぎつければ、きっとだいじょうぶでしょう。
社民党(7議席)、共産党(9議席)、新党日本(1議席)の議員は、
全員賛成ですし、公明党(21議席)も下野したので、
自民党の意向にかかわりなく投票するでしょうから、
全員賛成するものと思います。
これらに無所属を合わせて、40程度の上積みが期待できるでしょう。

国民新党(3議席)は、政権入りしているのに反対です。
自民党(119議席)は、反対の党議拘束をかけるでしょうから、
(野田聖子が当選していますが)、賛成の議員がいくらいても、
採決では全員反対することになり、賛成票はゼロでしょう。

民主党の民法改正反対派議員が、最近はどうしているのか、
もっと立ち入った動向についての記事が、
09年10月18日号の『サンデー毎日』にあります。

「夫婦別姓 造反確実 新たな火種」


重要な情報として、2002年に山谷えり子氏の造反声明に
呼応してできた、反対派の議連「慎重に考える会」が、
現在では消滅している(!)とあります。
========
「会社でも女性の旧姓使用が認められているので、
あえて法律で規定する必要はない。
そもそも家族崩壊を招く問題を国が議論するまでもない。
『慎重に考える会』は消滅していますが、私は反対する。
反対の議員は多いはずです。
========

上記のコメントは「慎重に考える会」を
立ち上げた、吉田公一によるものです。
吉田は反対の議員は多い、などと言っていますが、
実際にはそんなことはないでしょう。

わたしが想像するに、民法改正はすでに党の公約で、
政権を取る際の規定路線だし、推進派相手に反論もできないので、
政権獲得が現実実を帯びるにつれて、
押さえ込まれていったのではないかと思います。

2008年3月5日のmネット主催の院内集会では、
民主党には「党内の意見の乱れは全くない」と述べられています。
このときには、表立って反対の表明や活動が
できない程度には、弱体化していたのだろうと思います。
「20080306[vol:170]【国会】民法改正の実現を求め院内集会を開催 3月5日」
http://www.ne.jp/asahi/m/net/send-f/keisai.html


また、具体的な反対派として、吉田公一のほかに、
中山義活、松原仁、末松義規が登場します。
吉田は上述のように、「反対している」と答えていますが、
ほかの3氏は、事務所に記者が取材に行っても、
「外遊中で連絡がつかない」(中山)
「今はどういう立場なのかを含めて答えられない」(松原)
「多忙につきお答えできない」(末松)と言われて、
見解が聞けなくなっているのです。

記事に出てくる「03年11月の衆議院選挙直前に
女性誌が行なったアンケート」というのは、
『AERA』の03年11月10号「女性の投票マニュアル 味方は誰?」
という特集のことみたいです。(女性誌じゃないじゃん...)
このとき中山義活氏が反対と答えています。
http://fb-hint.hp.infoseek.co.jp/doubt04.htm

民主党の反対派議員たちは、これまでにも、
ことあるごとに、抗議メールをいっぱいもらっているでしょう。
実際、送っている、というかたもいらっしゃります。
あとで記事を見られると、どんな抗議をされるかわからないので、
民法改正の見解を言いたくなくて、
取材も拒否しているのかもしれないです。

そう考えると、民主党の反対派勢力を弱体化させ、
「慎重に考える会」を消滅させたのは、
有権者の力も、案外大きいのではないかなんて、
わたしは、ちょっと思ってもいます。


『サンデー毎日』では、「造反確実」「新たな火種」なんて、
センセーショナルですが(それを期待して
記事を組んだのでしょうが)、実際の反対派の勢力は、
質、量ともに、たいしたことなさそうです。
こうして見ると案外おとなしくすむのでは?と、
わたしは、ちょっと楽観視しています。

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