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民法改正運動の展開 - 2002年前半(1)
自民党の内情を隠そうとする活動家たち
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2002年の通常国会が開かれていたころは、
自民党の法務部会を、選択別姓の市民団体の人たちが、
オブサーバーとして、見物する機会が、何度かありました。
一般の市民が、法務部会に入ることができて、
そこで自民党の議員が、意見を闘わせているようすを、
直接傍聴ができたのは、貴重と言えると思います。

こんなことをしたのは、おそらく、選択別姓の実現を願っている、
一般市民のすがたを直接見れば、さすがの反対派も、
考え直すのではないかと、自民党の推進派議員が、
思ったからであろうと、わたしは、考えています。

選択別姓の市民団体のかたたちの中には、前にお話した
「自民党法務部会の実態」のように、反対派議員たちが、
ヒステリックに反対するようすを、直接見て来たことになります。
わたしは、傍聴する機会がなかったので、
想像するしかないですが、狂信反対派たちの迫力は、
相当のものだったに、ちがいないでしょう。

「氏名を大切にする市民の会」の、代表世話人のかたも、
直接法務部会に出て、傍聴したことがあったかどうかは、
わたしは、はっきりとは確かめられなかったです。
しかし、機会は何度もありましたから、
そのうちの一度くらいは、見物したのだろうと思います。


反対派議員たちが、猛烈に反対しているようすを、
直接見たというのなら、反対派はとうてい説得できない狂信者だと、
とてもよく実感できたにちがいないと、
これをご覧になっているあなたは、お考えになるかもしれないです。

ところが、このころの選択別姓の市民団体の人たちは、
そうした考えは、主流にはならなかったのでした。
どういうわけか、「自民党が政権を取っているのだから、
自民党を説得する以外に、選択別姓の実現はありえない。」
「一生懸命お願いすれば、反対派もきっと説得できるはず。」
という考えを、かえって強めてしまったのでした。

実際、「氏名を大切にする市民の会」の代表世話人のかたも、
「法案の正否をわけそう」などと、掲示板でふれこんでいました。
そして、多くのメンバーのかたに、集会に参加して、
自民党の推進派に協力するよう、呼びかけていました。

法務部会の反対派議員たちを、ナマで見てきたのに、
自分たちのがんばりで、反対派は説得できて、
自民党政権でも選択別姓が実現すると、本気で確信したのでしょうか?
そうだとしたら、彼女たちは、状況判断力のとぼしい、
よくよくの愚鈍な人たちに、なってしまいそうですが...

自民党の内情を隠そうとする推進派(1)
ある日(2002年4月)、市民団体のかたたちが、
集まっている掲示板に、自民党が選択別姓の、
実現をはばんでいると、書き込んだかたがいたのでした。
「自民党〜! 今国会で決まらなくても、国民の賛成派は増える一方なのにー。
自分達が時代の流れを止めていることに気付いていないのかな・・・。」
(4月12日(金)21時29分)

そこへ、代表世話人のかた、すかさず出てきて(わずか13分!)
「いい加減、有権者も、こういう偏見は捨てた方がよいと思いますよ。
某大新聞が思い込みで作った図式だと私は思います。
名乗っていなくても賛成の議員はいますし。
誠意をこめてお願いするほかないのでは??」
というお説教を、例によってしてきました。(4月12日(金)21時42分)

法案が実現しないのは、現与党の自民党に原因があるのは、あきらかです。
そして当選回数序列がものを言う、上意下達体質のある
自民党ですから、幹部に賛成議員が多いのなら、
とっくに、反対の党議拘束は、はずされてもいいはずです。
とうぜん、このような疑問が出されたのですが、
代表世話人は、自民党に反対が多いと思われるのは、
朝日新聞のせいと、決めつけるだけでした。


そんなやりとりをしているうちに、代表世話人のかた、
「より有効なやり方を提示されない限り、
お二人の非難は単なる評論に過ぎません。
私は、評論にお付き合いするつもりもありません。」などと言って、
強引に議論を打ち切ろうとしました。(4月15日(月)09時39分)

これは、この市民団体の人たちが、
都合が悪い批判を封じるときの常套手段です。
とくに今回は、毎回のように出てくるのですが、
それだけ訊かれたくないことを、訊かれ続けたもののようです。


そのあとに、いちばんはじめに書き込んだかたが、
「賛成している幹部が誰か、教えて下さい。」と、
ふたたび訊いてきました。(4月15日(月)19時54分)

わたしも、代表世話人のかたに、はぐらかされないよう、
ことばを選んで、つぎのようにお尋ねしてみました。
========
ものわかりのいい賛成派が、幹部にもたくさんいるというなら、
どうして、法案が可決しないどころか、党議拘束もはずせないのですか?
これは、しろうと目にもおかしいとわかることですが、
あなたのように事情をよく知っているかたでないと、
なかなか答えられないことだと思いますよ。
わからないことを聞いているだけなのに、「評論」なのですか...?
========(4月15日(月)19時58分)

複数人に尋ねられて、答えないわけにいかないとあきらめたのでしょうか、
代表世話人のかたは、法務部会の実態について書いてある、
読売新聞のスキャナーと、野田聖子氏のウェブサイト
(「党三役申し入れ賛同者」のリスト)を、
ようやく紹介してくれましたよ。(4月15日(月)22時29分)

自民党の内情を隠そうとする推進派(2)
ところが、このあと、もっとすさまじいことが起きました。
野田聖子氏のリストを見て、幹部で賛成している人の数は、
やはり少ないという、反論をされたのでした。
========
野田聖子さんのHPをみたところ、
幹部といえるのは野中広務さんと加藤紘一さんだけですよね。これで、
>現在の幹部の多くは賛成を表明しています。
と言えるのでしょうか。他にどなたかいたらおしえてください。
私の知っている範囲では、福田康夫さん、森山法務大臣ぐらいかな。
========(4月17日(水)08時12分)

ところが、代表世話人のかたは、なにを思ったのでしょうか、
「一体、あなたの議員の賛否のソースはどこですか?
単なる思い込みではありませんか?」(4月17日(水)09時18分)
などと、言い返すではありませんか!
ご覧くださいと、自分で紹介したソースなのに、
「ソースはどこですか?」とは、どういうことなのでしょう!?
わたしは、あっけに取られて、開いた口がふさがらなくなりましたよ。


こういう「八百長」は、絶好の追求の機会でもあるし、
本当なら、掲示板で堂々と、批判しなければならないのでしょう。
ところが、わたしは、とても不覚なことに、
このとき、なにも言うことができなかったのでした。
(こんなとき混乱して、適切な行動が取れなくなるのが、
わたしの、いたらないところなのですが。)

代表世話人のビリーバーである、市民団体のほかのメンバーは、
べつの理由で、なにも批判しなかったのでした。
じつは、わたしは、のちにメールで、とあるメンバー
(この議論では、ROMだけで、掲示板に書き込んでいないかた)に、
「八百長」を批判したのですが、わたしのほうが、なじられる始末でした。

朝日悪玉論
また、「某大新聞」は、文脈からわかるように、朝日新聞ですが、
代表世話人は、続けてこんなことを言っています。
========
一連の記事が、私自身が自分の手でつかんだ事実と
あまりにかけ離れているので申し上げているのです。
個々の記者は分かりませんが、デスクの思考は
55年体制のままで停まっているとしか思えません。
その点は、対極にある某S新聞も同じだと思いますが、
一見中立を装っている分、A新聞の方が劣ると思っております。
========(4月13日(土)17時31分)

自民党が悪いと、読者に不当に印象づける記事を,
朝日新聞が書いているのを、わたしは、見たことはないです。
何月何日の記事(「一連の記事」だから複数)が、
「自分の手でつかんだ事実」と、どのように
「かけ離れている」のか、知りたいところです。

わたしが知るかぎり、自民党が原因と、
いちばんはっきり書いているものは、読売新聞の、
2002年4月11日(スキャナー)と、5月1日の記事です。
自民党を批判する新聞があるから、有権者がそう思うというのなら、
この「図式」を「作った」のは、読売新聞になりそうです。
(読売の記事は、事実を述べているだけで、
とくに自民党を、悪玉に仕立ててはいないですが。)

「対極にある某S新聞」は、産経新聞のことで、
「群れない、逃げない」を、キャッチコピーにしています。
これは、権力に迎合せず、対峙することでしょうから、
中立性の標榜と取ることができます。
それでいて、「高市氏の通称案でじゅうぶんだ」のように、
反対派受けしたくて、存在しない法案があるような記事を、
書くのですから(2001年12月25日)、産経もじゅうぶん、
「一見中立を装っている」ことになるでしょう。


代表世話人の、朝日批判は、おそらくは根拠のない、
偏見にもとづいた、決めつけだろうと思います。
自民党に賛成議員がすくない事実を、「虚構」と思わせたくて、
朝日新聞の「思い込み」に、責任転嫁しようというのだと思います。

代表世話人は、国会議員と、メールをやりとりしたり、
直接接したりする機会も多いですから、
「自分は独自に手に入れた情報がある」と言うことで、
新聞社より自分のほうが、正確な情報を伝えているのだ、
という印象を、なんとなく与えることができるのでした。

さらに、自民党の反対派議員たちが、嫌っていそうな朝日新聞を、
自分たちも、信用していないのだと思われることで、
反対派たちに、好感を持たれようというのも、あるのでしょう。

このような一連の議論があったのですが、
これから察するに、代表世話人は、法務部会のようすから、
反対派の説得は絶望的で、選択別姓法案の実現は、
自民党政権では無理と、さとったのだろうと思われます。

それでも、自民党にお願いするしかないと、決め込んでいたので、
賛成派がじつは少ないことや、反対派の狂態ぶりが、
みんなに知られると、別姓実現のために、自民党に働きかける人が、
減るのではないかと、懸念したのかもしれないです。
そうした自民党の実態がわかってしまう、野田聖子氏のリストや、
読売のスキャナーの記事も、本当は隠したかったのだと思います。

ところが、このときは、いつになく追求され続けて、
呪文のように唱えている「評論家」うんぬんや、朝日悪玉論では、
かわしきれなくなったので、やむをえず、教えたのだと思います。
実際、このとき教えてもらえた読売の記事で、
自民党政権下では実現は無理と、わたしは、確信できたのだし、
「自民党法務部会の実態」を書くことも、できたのでした。


代表世話人は、実現の見込みがほとんどないと、
本当に思っているのだとしたら、ほかの人たちには、
実現の可能性があると信じこませて、特定の政治活動に、
協力させることになりますから、ある意味とても危険とも言えます。

もっとも、かかる「八百長」が、目の前で展開されていても、
その意味を理解できず、また理解しようともせず、
そんな議論は無意味であるとして、代表世話人の言うことに、
無批判に賛同するのですから(4月16日(火)01時28分)、
「別姓を望む人たち」も、とてもだまされやすいのでしょう。

ところで、この議論の内容とはべつに、あきれることがあります。
「掲示板での議論は議論好きな人におまかせして」
という、もの言いです。(4月16日(火)01時28分)
これは、わたし(たち)と、議論するのは、
選択別姓の実現に建設的でない、ということを言っています。

過去ログの全体を見れば、すぐにわかりますが、
掲示板でいちばんたくさん、議論をしているのは、
「しばてん」と名乗る、口の悪い反対論者を相手にしている、
代表世話人のかたにほかならないです。

しかも、「しばてん」は不快だと、はっきり非難されているのに、
代表世話人のかたは、「しばてん」を擁護さえしているのです。
市民団体のほかのメンバーも、なにも言わないですし、
この反対論者との議論は、非建設的ではないみたいです。
そうした自分たちを棚にあげて、「議論好きな人におまかせして」
などと言うのは、なにをかいわんや、です。

彼女たちにとって、反対派を不当に持ち上げる議論は、
自分たちが、反対派によく思われるために、「有用」なので、
いくら長く続けても、すこしも非建設的でないのでしょう。
これに対し、自分たちの活動に批判的な内容だと、
どんな適切なものでも、「運動にマイナス」で「非建設的」であり、
「八百長」をしてでも、揉み消す必要があるもののようです。

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