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民法改正運動の展開 - 2001年
反対論者の通称使用構想(2)

12月25日の産経新聞、『ニュースウォッチ』ですが、
とても誤解を招くことを書いているから、いやになってしまいます。
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夫婦別姓の問題は私自身を含め、
近い将来結婚する女性にとって切実である。
「生まれたときからの姓をそのまま名乗り続けたい」
という気持ちがある一方で、「結婚相手と同じ姓を名乗りたい」
という思いもあり、どちらが良いのか、判断しかねているからだ。
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これは、非改姓結婚か、改姓結婚かという、
特定個人の選択のことを書いているのですが、
あたかも法案の内容を言っているように見えてしまいます。
つまり、これを読むと、民法改正によって、
あたかも全員が、夫婦別姓でなければいけないかのような
印象を受けるということです。

民法改正に、あまりくわしくないかただと、
法律が変わったら、みんな夫婦別姓になると思っている人は、
まだまだたくさんいらっしゃります。
そうした人たちに、誤解を広めることにもなりかねないでしょう。
記者自身、このような誤解をしているのなら、
それで、これだけ長い記事を書くのは、かなり問題だと思います。


実際に導入しようとしている法案は、もちろん「選択制」です。
結婚したら、苗字を変えたい人も、変えたくない人も、
抵抗なく、それぞれの選択ができるようにしよう、というものです。
いわば両者の「共存」であって、結婚したら、
みんな同姓でなければだめ、という「排除」ではないのでした。

「共存」か「排除」かのどちらか、という問題になると、
「排除」を主張する反対論者に、あきらかに不利になります。
それで、それをごまかすために、法案の内容と、個人の選択を、
取り違える記事を、意図的に書いているのなら、さらに問題です。

ところが、この記事は、反対論者たちの排他性を
ごまかしただけでは、まだたりなかったようです。
賛成派のほうが排他的だという、印象操作まで、
やろうとしているから、さらにいやになってきます。
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賛成派は「早期の成立」を声高に叫び、ある女性議員から
「産経新聞は反対派だから」と取材を拒否されたこともあった。
だが、そういった態度では反対派を説得することはできないし、
歩み寄りも無理であろう。
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反対論者は、みんな頑迷きわまりなく、どんなにたくさんの
根拠を見せられても、考えを改めることのない人たちです。
反対論者こそ、歩み寄りの姿勢を、ぜんぜん見せないのであり、
彼ら反対派たちが、議論を紛糾させることこそ、
「火種」や「禍根」が生じる原因にほかならないです。

また、わたしに言わせれば、反対派の論拠はどれも「とんでも」で、
まじめに検討するだけ、時間が無駄なしろものばかりで、
はじめから相手にしないのが、情報リテラシー的に公平なくらいです。

反対派の対案だという、通称使用の案も、
わたしが、前のコンテンツでお話したように
解決にならないことが、すでに検討されているものです。
記事で検討しろと言っている、「高市案」に関しても、
法務部会で、そのふじゅうぶんさが指摘されています。


早期成立がけしからんと言いますが、法制審議会が
民法改正法案を提出したのが1996年で、すでに5年も経っています。
じゅうぶんすぎるくらい議論されたと言えるでしょう。
01年8月に発表された世論調査でも、賛成のほうが多くなり、
女子差別撤廃条約を不履行にしてきた理由も、なくなったと言えます。
とっくに民法改正の期は、熟しきったと思います。

「判断を決めかねている」と言いますが、
この記事を書いたかたも、ご多分にもれず、どれだけ議論をつくしても、
「まだ、じゅうぶんな議論がなされていない」とか、
「必要性が伝わってこない」とか、言い続けるのではないかと思います。
反対するまともな論拠がないので、「急いては事を仕損じる」と言って、
無限の時間稼ぎをするつもりなのでしょう。

参考文献、資料
  • 産経新聞 ニュースウォッチ 2001年12月25日 
    「夫婦別姓 なぜ法制化されないのか」 「家族」めぐる認識に差
    賛成派 不和の原因解消/反対派 個人主義強まる

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