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民法改正運動の展開 - 2009年 通常国会で成立に向けて 民法改正法案を提出? 民法改正法案を提出?(2) 「話題になっているので」 「民法改正の記事」 まだ話題になっている 「民法改正のエントリ」 |
9月27日に、民法改正法案を提出する方針を 政府が固めた、というニュースが入ってきました。 千葉法相、さっそくという感じですね。 「夫婦別姓導入へ…政府、来年にも民法改正案」 紙面版では1面のトップにあります。 民法改正が新聞の1面を飾るなんて、絶えてこのかたひさしいです。 その前に、1面に載ること自体、めったにない話題です。 それでも、記事は読売だけなので、 センセーションがなさそうに見えたのでした。 それに「早ければ来年の通常国会に」とあります。 選挙前に「年内の臨時国会で」という情報が、 入っていたこともあり、「なんだ今年じゃないのね」と、 わたしはいささか醒めていました。 ところが、民法改正法案提出予定の記事は、 他紙からも出始めました。 さらに、千葉景子法相だけでなく、福島みずほ共同参画相も、 新聞記事に登場するようになります。 「夫婦別姓、来年の通常国会も視野に…法相」 「<選択的夫婦別姓>福島氏も通常国会で成立に前向き」 「<選択的夫婦別姓>「早ければ来年通常国会にも」千葉法相」 「<夫婦別姓>千葉、福島両大臣会談 法案の来年提出方針確認」 「夫婦別姓実現へタッグ/神奈川の2大臣会談」 まだ法案提出の予定だけで、実際に提出していないのですが、 これらの新聞記事に応じるとうに、 ネットのあちこちでも話題になりはじめました。 いままでのセンセーショナルのなさからは、 考えられないくらい注目されています。 政権交代すれば、民法改正の実現は急激に高まると 期待されていたところへ、政府がおよその期限つきで、 実現をめざす意向をしめした効果と言えるでしょう。 このあたりは、政権与党の貫禄かもしれないです。 |
9月29日の読売新聞の記事に、「実現できなかったことの方が異常」 という、千葉法相のコメントが載せられています。 実際、法制審で答申があった法案が実現しないのは、 異例中の異例で、おそらくこれまでに、 数えるほどしかないのでは、と思います。 「夫婦別姓、来年の通常国会も視野に…法相」 ======== 法相の諮問機関である法制審議会が1996年に導入を答申したが、 与党だった自民党が「家族の一体感を損なう」などを理由に 強く反対してきた経緯がある。 千葉氏はこれに関連し、「法制審で答申があったのに、 実現できなかったことの方が異常だ。 法制審に基づいた法案をできるだけ早い時期に国会に提案したい」と述べた。 ======== こうした異常事態になぜなるのか、わたしのサイトを ここまで読んで来られたかたなら、言わずもがなと思います。 ここで改めて簡単に述べておきますと、 自民党が、党内会議である「法務部会」で、 民法改正法案提出をいつも阻止するからです。 「反対派最後のとりで」 「自民党法務部会の実態」(2002年) 「2003年の法務部会」 「2004年の法務部会(1)」 この「法務部会」は、「事前審査・承認制度」という、 自民党の決定プロセスの一部として設けられたものです。 もともと霞ヶ関で作られた法案を、国会に提出する前に、 自民党内で承認するためのものです。 ところが、民法改正にかぎっては、 霞ヶ関の意向に逆らって、反対派議員たちが、 法案提出を握りつぶす場に使われているのでした。 法務部会を通さないで、国会に法案提出することは認められず、 自民党の反対派議員たちが、民法改正法案をほうむる、 絶好にして唯一の舞台となっていました。 こうした現状があるので、自民党政権下では、 民法改正法案の実現はありえず、政権交代が起きないと無理と、 わたしは主張してきたのでした。 |
10月に入ると、婚外子の相続差別と、 再婚禁止期間について触れた記事も出て来ます。 また子どもの苗字を統一するという、法案の内容に、 やや立ち入って書かれた記事も出て来ます。 「女性の「再婚禁止」短縮を検討=相続差別撤廃も−民法改正で法相」 「非嫡出子:相続規定、最高裁が合憲決定」 「夫婦別姓でも子の姓は統一=千葉法相」 最初の発表から1週間以上経つと、 社説やテレビや雑誌記事も出て来ます。 どれも民法改正は導入するべしという、好意的な内容です。 さらに新聞社の支持率調査の中でも、 夫婦別姓が争点として、取り上げられたりもしています。 「選択的夫婦別姓 導入へ具体的議論を」 「夫婦別姓 選択に道を開くときだ」 「鳩山内閣の支持率65% 朝日新聞10月世論調査」 「選択的別姓―法制化へと動くときだ」 「10月6日イチメン 夫婦別姓が選べるように?」 「子どもを生みたくなる国に変わるための処方箋」 それから、これはあまりありがたくないのですが、 亀井静香が、民法改正反対を唱えて、 政権内で対立が生じる記事も、出て来ました。 「亀井氏、夫婦別姓に反対」 「閣内不一致?亀井金融相と千葉法相、夫婦別姓めぐり衝突」 「千葉法相が不快感 「そっちの心理がわからない」」 最初の報道から半月以上経っても、マスメディアからは、 どんどん記事が出て来て、とてもにぎわっています。 1か月近く経っても、個人ブログで話題にするかたも、 つぎつぎと現われて、こちらも大にぎわいです。 民法改正の話題なんて、ちょっと前の自民党政権のころは ぜんぜん広がらなくて、「忘れられた政策」と 化していたのですが、そのころとは隔絶の感です。 「たいして話題にならない」という、わたしの最初の予想が、 よい方向にはずれてくれましたよ。 |
このあとも、鳩山政権や千葉法相は、要所ごとに、 法案成立の意向や進捗状況を、発表していくことになります。 これは、政権公約に書かれていることを、 順当に実行していることをしめすためでしょう。 さらに、世論を喚起して、法案実現の雰囲気を 高めようという目的もあるのかもしれないです。 そうだとしたら、この意図はまさに当たったことになります。 実際、このあとの世論調査やアンケートで、 選択別姓の導入に理解をしめす回答が、 これまでになく高くなるからです。 このように民法改正の議論がおさかんになると、 必然的に反対論者たちも、騒がしくなってきます。 マスメディアでは、産経新聞のご活躍が注目を惹きます。 他紙よりも、たくさん書いているのでは?という気もします。 個人ブログでも、反対論のエントリを、結構見つけます。 といっても、いまさら真新しい反対論とか、 検討に値する反対論なんて、あるはずもないのでした。 産経の社説なんて「なんだまたか」と思って、 わたしははじめ、たいして気にも止めなかったです。 政権交代したいまや、頑迷きわまりない反対派など、 おそるるにたらず、というご意見があって、 わたしもそうだろうと思うからです。 「風向きが変わる」 ======== 民主党が政権取るだけで、論調もだいぶ変わってくるように感じた。 くどくどと事実婚夫婦の実践例など取材しなくていいから、 短時間でこれだけ端的にまとめてもらえれば、 世間にも浸透していくだろう。 別姓推進派は、反対派に対してムキにならず、 余裕こいてればいいように感じる。 ======== ところが、あたまに来たというかたもいるし、 かなり気になさるかたもいらっしゃるようです。 また、最近になって、民法改正に関心を持ちはじめたかたで、 民法改正に本当に賛成していいのか、ためらっているかたや、 反対意見なんて、ばかばかしいと思うけれど、 どう反論したらいいのかわからないかたのために、 なにか書いたほうがいい、というご意見もいただきました。 そこで、お役に立ちそうなサイトを集めたり、 新聞記事やネットで出て来た話題を中心に、 過去の記事を参照させながら、わたしもあらためて、 すこしくわしく書くことにしました。 以下のエントリのリンクさきを、ぜひご覧いただきたいです。 「民法改正のエントリ」 「話題になっているので」 |
謝辞 いつも貴重な情報をお寄せくださるさくらさま、 まことにありがとうございます。 |
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