トップページ > 本館 > 民法改正運動の展開 |
民法改正運動の展開 - 2009年 衆院でも女性議員過去最多 女性当選者過去最多 |
2009年の衆院選も、女性当選者が過去最高となりました。 これは2007年の参院選に続いて、連続なのですが、 なぜかほとんど話題にならないのでした。 8月31日の朝日新聞と日経新聞の記事なんて、 世襲の話題といっしょになっていますよ。 当選者全員のリストは、「mネット」のページにあります。 女性の当選者は54人で、全体の11.25%です。 今回はじめて10%を超えたのですが、 新記録とはいえ、やっとという感じです。 |
下院(衆議院)で女性の割合が11.35%というのは、 国際的にはとてもすくない、というのは、 これをご覧のかたでしたら、言わずもがなと思います。 世界全体の平均は18.8%なので、はるか及ばないです。 列国議会同盟(Inter-Parliamentary Union)が、 世界各国の女性議員の割合を調べています。 その抜粋を下に表として載せておきます。 「Women in National Paeliament」 09年の衆院選前は、日本は134位だったので、 これでもだいぶ改善されたのですが、 それでも97位という、低い水準になっています。 アフリカのルワンダが1位になっています。 これは、大虐殺による動乱のあとの復興過程で、 国連の指導で「女性議員を全体の30%以上とする」という クオータ制を憲法で規定したことによります。 「国際シンポジウム「世界は進む、日本は進まず」」 女性議員:ルワンダ56%で世界1位、日本11%で97位」 ところで、女性議員の割合のお話をすると、 こんなことを言うかたもいらっしゃるのかな? 「09年総選挙を終えて--“女性”の代表とジェンダー」 ======== 私は女性の当選者の数が増えたと聞くと、 まず単純に「うれしい」「良かった」と思ってしまう。 そのような心情を知人にもらすと、 きまって「たとえ○○のような人でも当選して嬉しい?」 (○○には、サッチャー元英首相や保守派、 タカ派と言われる女性政治家が入る)と訊かれる。 ======== タカ派や保守派の女性が当選するくらいなら、 ハト派やリベラルな女性は、もっと当選しやすい環境に なっているでしょう、とでもお答えしておきましょうか。 |
国際的には低水準と言っても、日本でも女性議員の割合が、 じわじわと増えはじめているのもたしかです。 まがりなりにも、女性議員が受け入れられる 傾向にあるのは、どうした背景によるものなのか、 その考察は、つぎの記事に書かれています。 わたしから、とくに言うことはないだろうと思います。 「09年総選挙を終えて--“女性”の代表とジェンダー」 簡単に言うと、55年体制時代の会社本位主義と、 それを支える「男性稼ぎ主型」の家族構成が、 「古い政治」であり、従来置き去りにされた 都市部の生活者の政治や、ジェンダー平等のシステムが 「新しい政治」ということになります。 コイズミカイカクも、「古い政治」と対峙する 新しいものだったので、郵政選挙でいったん 受け入れられたのだろうと思います。 ところが、これは新自由主義的政策が中心だったので、 やがて破綻していったのでした。 2009年の選挙では、コイズミカイカクでも、 「古い政治」でもない、「新しい政治」が求められたのでしょう。 そして、自民党の大物政治家は「古い政治」、 民主党の女性候補者は、「新しい政治」の体現者として、 有権者からは見られ、支持されたことになります。 その意味で象徴的だったのは、石川2区だと思います。 自民の候補は首相経験者の森嘉朗氏、 民主の候補は、新人の田中美絵子氏です。 8月の後半に入って、森陣営は、猛烈な逆風が吹き付けて、 落選の危険があると見たのでしょう。 あわてて「組織の締め付け」に入ったようです。 森陣営はベテランを強調するのですが、後援会組織にいたっては、 「派遣で国会議員の資質が備わるのか」などと、 田中美絵子氏の経歴をあげつらったりもしました。 (わたしも、派遣経験があるので、かちんと来た。) これはいわば、「古い政治」の正当性と、 「新しい政治」の否定でもあると言えます。 結果は森嘉朗氏が当選、田中美絵子氏が比例復活でしたが、 惜敗率が96.4%ですから、森はかろうじての当選と言えます。 「組織の締め付け」をはじめるのが、 もうすこし遅かったら、落選していたと思いますよ。 選挙直後は、マスコミでは田中氏のほうが、 注目されていたことで、一矢報いたでしょうか? もうひとつ特筆することは、公明党の小選挙区での全滅です。 とくに太田代表と北側幹事長が、ともに落選したことが衝撃的でした。 ふたりとも、比例区との重複立候補はせず、 背水の陣で臨んだので、そのまま議席をなくしています。 その太田代表の東京12区から出馬した、 民主党の対立候補は、青木愛氏です。 参議院議員だったのですが、小沢一郎氏から抜擢され、 衆院選に鞍替えとなるという大胆さです。 「青木さんはこれからこの選挙区内のすべての町目を回る」と 小沢代表代行がコメントしていますが、 おそらくは、小沢氏が伝授する、選挙区をくまなく歩きまわって 支持を堅める選挙を、地道に実行したのでしょう。 その結果、約1000票の差を付けて、太田氏を破って当選でした。 |
世界各国の女性議員の割合
|
参考文献、資料
|
「民法改正運動の展開」にもどる 「本館」にもどる トップにもどる |