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民法改正運動の展開 - 2002年前半(2)
造反に無関心な市民活動家たち


この記事のログ:その1

インターネットの市民団体「氏名の会」の、活動方針に反対する人も、
このころには、(たんぽぽ以外)だれもいなくなり、
自民党にお願いするのが実現のための活動、
というスタイルが、すっかり定着していました。
それで、みんなの国会議員への関心も、もっぱら自民党に集まっていました。

選択別姓が、いままで実現しなかったのは、
自民党では無理と決め込んで、だれも積極的に、
必要性をお願いしなかったからだと、彼女たちは信じていました。
それで、「自分たちの働きかけの力で、いまは反対している自民党を、
賛成に転向させる」と、強く確信していたようです。

また、彼女たちが、自民党にアプローチする背景には、
「反対派が多そうな自民党にも、賛成の議員がたくさんいるし、
自分たちは全部の議員を、いっしょくたにしないで、
それを見きわめられる」という自負もあったのでした。
「十羽ひとからげにしないで、多様性を見きわめる」というのは、
「別姓を望む人たち」のあたまに入りやすいお題目であり、
意識が高い気分になるもののようです。


民主党をはじめ、野党各党は、毎年民法改正法案を、
共同で国会に提出してはいました。
しかし、まっこうから反対する自民党は、審議に応じるはずもなく、
数の力で無視され、いつもそのまま廃案になってしまいます。
それで、インターネットの市民団体の人たちは、
「野党がいくら法案提出しても、自民党が握りつぶすので意味がない、
自民党が法案提出しなければ、実現はしない」とうそぶいていました。

民主党が法案提出して、国会で審議されるためには、
みずから政権党になるしかないでしょう。
ところが、このころの民主党は、まだまだ議席がすくなく、
政権を取る可能性は、ずっとさきのことでした。
すくなくとも、1回の選挙では、とても無理な水準でした。
それで、ネットの市民活動家たちは、自民党の推進派議員を応援したほうが、
政権交代よりずっと早く、選択別姓は実現すると信じてもいたのでした。

そんな彼女たち市民活動家ですから、民主党はいくら賛成していても
法案の実現には役に立たない、意味のない存在として、
このころには、もはやどうでもよい存在になっていたようです。

それゆえ、数カ月にわたって、民主党全体をゆるがした、
選択別姓反対派議員たちの「造反」の動きも、
インターネットの市民団体は、これをどう受け止めたかというと、
まったくといっていいほど、関心がなかったのでした。
わたしひとりが問題視して、批判を続けていた感じです。

『諸君!』の記事の公約違反声明を、反対派といっしょにかばう、
あきれはてたかたは、さすがにひとりだけでした。
それでも、前のコンテンツや、過去ログを見てもわかるように、
このとち狂ったかたを批判したのも、わたしのほかは、
だれもいなかったのでした。


山谷えり子議員の反対声明に、共鳴するように、
造反議員が騒ぎ出して、党議拘束をはずせと要求してきたことが、
水島議員のサイト(活動報告)に載ったので、
わたしは掲示板で、そのお話をはじめました。(4月 2日(火)11時22分)

わたしと、はじめに、『諸君!』の記事を紹介したかたとで、
会話をしていたのですが、このときも興味がないようで、
市民団体のメンバーは、だれひとりとして、入ってきませんでした。
たまたま居合わせた反対論者(しばてん)との議論のほうが、
「自分たちは意見の異なる者と議論できる」ことを示すためにも、
だいじだったのかもしれないです。

『諸君!』の記事を紹介したかたは、つぎのような、
ひどくがっかりすることまで言っているのですが、
市民団体の人たちは、これもまるっきり無視していました。
========
もし民法改正の採決で党議拘束を外すようなことにでもなったら
私はもう民主党には投票しません。
そうでなくても、山谷氏が再び比例区で出てくるようなら、
比例票は入れるつもりはありませんが。
========(4月 3日(水)10時26分)


自民党に対して、これに相当することを言ったら、
市民団体の人たちは、目くじらを立てて怒るところでしょう。
「私たち有権者がだまっているから、賛成しないのではないでしょうか?
賛成してほしいなら、議員さんに心をこめてしっかりお願いしなさい!」
「賛成の議員さんもいるはずです。 せっかくのインターネットなのですから、
信用できないなら、ご自分で問い合わせてはいかがでしょう?」
とかなんとか、しかりとばしているはずです。

民主党に不信を持つ人に対して、おなじことをするのが
好ましいとは、わたしは、まったく思わないです。
それでも、自民党不信は、無遠慮にしかりとばすのに、
民主党不信は、まったくの放置というのは、彼女たち市民団体が、
いかに自民党に偏重していて、民主党を無視しているかを、
とてもよく表わしていると言えるでしょう。

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