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民法改正運動の展開 - 2001年
党三役申し入れ

5年ぶりの世論調査で、賛成が反対をはじめて上回ったのですが、
予想以上に満足できる結果だったのでしょう、
自民党の推進派である「選択的夫婦別姓に関するプロジェクトチーム」
の動きは、ふたたび活発になってきました。
http://www.noda-seiko.gr.jp/hitokoto/131106.html

推進派議員たちの、プロジェクトチームは、
すみやかに民法改正に関する法務部会を開いて、
自民党内で具体的な議論を重ねたのち、国会へ改正法案を提出することを、
党三役(山崎幹事長・麻生政調会長、堀内総務会長)に対して、
もうし出たのでした。

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1)「選択的夫婦別姓制度」導入に向けた
民法改正を議題とする自民党法務部会を開催し、
早急かつ徹底した党内議論を進めることを申し入れる。
2)党法務部会での議論・検討を経た後速やかに、今臨時国会に、
当該問題についての閣法が上程され審議に付されることを要望する。
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この党三役への申し出には、45人の賛同者が得られています。
(議員のリストも、リンク先の下のほうにあります。)
自民党はかねてから、反対、抵抗勢力だと言われてきたからでしょう、
この人数の賛成は、推進派議員にとって、思ったより多かったようで、
これは、大きな成果であると、野田氏たちは、自信を持ってきました。


また、反対派の中には、よく聞いてみると、
希望者のみの選択制ということを知らないとか、
よくわからないまま反対している議員も、
いまだにすくなからずいるらしいです。
また、事情がよくわからず、民法改正の必要性を知らなくて、
関心を示さない中間派議員も、たくさんいるでしょう。

そうした、反対派、中間派の議員に対して、地道に説得に当たれば、
理解者を増やしていく余地が、まだまだあると見たのでしょう。
これからも、賛同者の輪を広めていくことで、
民法改正法案の提出に持って行こうと考えたようです。

自民党の推進派のチームが、活気づいてきたこともあって、
インターネットの市民団体も、いよいよ、
自民党に期待を寄せるようになってきました。
その方針は、さきの推進派のプロジェクトチームの考えを、
全面的にサポートするものです。

事情のわからない中間派や、反対派の議員たちに対して、
選択別姓の必要性をわかってもらう努力をするのは、
自分たちのような「実現を望む有権者」が、なすべきことである。
国会議員と言っても、自分たちと同じ人間なのだし、
熱心に思いを伝えれば、それはかならず伝わって理解が得られる。
そうやって、自民党内での賛成議員を地道に増やして、
近いうちに国会での審議に持ちこむのだ、というものです。

実際に、市民団体のかたたちが、メールを出して、
必要性を訴えたりすると、「そこまで夫婦別姓が
重要になっているとは知らなかったです。
民法改正の必要性がわかりました。」といったような、
色よいお返事がいただけることがある、というお話だそうです。

ようするに、自民党の議員たちにお願いし、
自分たちの必要性を伝えて、賛成派議員を増やして、
選択別姓を実現させるという、
インターネットの市民団体の活動の基本方針は、
こうして、固まっていくことになります。


このように、政権党である自民党内にも、
一定の数の賛成議員が現われ、ひとつのグループを
作るようになったことは、たしかに大きな成果でしょう。
法務大臣もみずから積極的になってきたし、
このころには民法改正は、すっかり自民党主導になってきたようです。
かつての野党主導だったころからすれば、
はるかに進歩したと言えるでしょう。

古くからある市民団体の中には、
「民法改正はすでに市民運動の手を離れました。
あと数年もすれば実現するでしょう、時間の問題です。」
といったことを言うかたも、いらっしゃるくらいです。

しかし本当に、もはや自民党がやりだしたのだから、
民法改正は市民運動の手を離れたのだと、
楽観できる状況になったのでしょうか?
あるいは、自民党の議員さんたちに、別姓を理解してもらえるよう、
お願いを続ければ、選択別姓の賛成数は増えていって、
推進派グループの力は、法案提出ができるようになるのでしょうか?

ところが、この党三役申し入れの、賛成議員リストに関して、
市民団体のかたに、不信のただよう言動があったのです。

ある日(2002年の4月ごろ)、自民党が、選択別姓の実現を
はばんでいる、という内容のことを、市民団体のかたたちが
集まっている掲示板に、書き込んだかたがいました。
すると、代表世話人のかたが、「自民党だからと言って、
みんな反対していると決めつけるのは偏見です。
幹部でも賛成している議員は多いのだし、誠意をこめてお願いしなさい。」
という趣旨のお説教を、例によってしてきました。

そのあと、自民党の賛成派勢力や、朝日新聞について、
すこし、議論になったのですが、そうこうしているうちに、
はじめに書き込んだかたは、「具体的に賛成しているのは、
だれなのか教えてほしい」と、訊き返してきました。
わたしも、幹部に賛成が多いなら、いままで法案が可決したことがないのは、
なぜなのかと、尾に足して訊いてみました。

さすがに、複数人から訊かれたこともあって、
答えざるをえなくなったのか、代表世話人のかたは、
「賛成の表明をされている議員名は、野田聖子さんのHPに
掲載されています。そちらをご覧下さい。」と、
ソース(「党三役申し入れ賛同者」のリストと思われる)を、
紹介をしたのでした。


議論に加わっていたかたで、その野田氏のページを実際に見て、
幹部で賛成している人の数は、やはり少ないではないかと、
反論してきたかたがいたのです。
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野田聖子さんのHPをみたところ、
幹部といえるのは野中広務さんと加藤紘一さんだけですよね。これで、
>現在の幹部の多くは賛成を表明しています。
と言えるのでしょうか。他にどなたかいたらおしえてください。
私の知っている範囲では、福田康夫さん、森山法務大臣ぐらいかな。
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ところが、代表世話人のかたは、なにを思ったのでしょうか、
「一体、あなたの議員の賛否のソースはどこですか?
単なる思い込みではありませんか?」
などと、言い返すではありませんか!

自分で、「ご覧ください」と言ったソースのはずなのに、
「賛否のソースはどこですか?」とは、なにをか言わんや、です。
それとも、自分でも信頼していないソースを、紹介したのでしょうか?
これには、わたしも、あっけに取られて、
開いた口がふさがらなくなりましたよ。

おそらく、代表世話人のかたは、自民党の幹部議員には
賛成している人は比較的少ないと、
自分でも思っていたのかもしれないです。
そのことが、みんなに知られてしまうと、
民法改正実現のために、自民党に働きかける人が、
減ってしまうのではないかと、懸念したのでしょう、
それでそのことを、隠したかったのだろうと思います。

そこで、「現在の幹部の多くは賛成を表明しています」
「名乗っていなくても賛成の議員はいます」と、思わせておいて、
自民党に反対が多いと言われるのは、朝日新聞の「思い込み」のせいに、
押し付けようとしたのだと思います。
代表世話人のかたは、議員と直接接する機会も多いですから、
「自分は独自に手に入れた情報がある」と言うことで、
新聞社より自分のほうが、正確な情報を伝えているのだ、
という印象を、なんとなく与えることができるのでした。

ところが、このときは、めずらしく追求が激しかったので、
(というか、わたしが便乗して、はぐらかされないよう
ことばを選びながら、追求を激しくしたのですが)
内心では伏せておきたかったと思われる、
野田聖子の賛成議員リストのページを、教えたのだと思います。


それにしても、相手が、根拠を挙げて、
具体的に理由を述べているにもかかわらず、
代表世話人のかたは、具体的な理由も述べず、反論もせず、
「あなたの言うことは、現実的な手法をしめしていない。」と、
一方的に決めつけて、「批判だけの評論家は役に立たないので、
有効な手法を提案してください。」と、詰問し返すレスが、
毎回のように出てきているのが、目立ちます。

これは、くだんの市民団体の人たちが、
都合が悪い指摘や批判を封じるときの、常套手段なのですが、
今回は、とくに乱発がひどかったのでした。
それだけ、訊かれたくないことを、訊かれ続けた、
ということなのかもしれないです。

参考文献、資料

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