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民法改正運動の展開 - 2007年
参議院で民主党が第1党

江田参院議長就任 民主党新役員 民主党次の内閣

07年7月の参院選がもたらした、大きな変化のひとつは、
なんと言っても、民主党が第1党となったことです。
参議院では、第1会派から議長を、第2会派から副議長を選ぶのが、
慣例なのですが、政権との「ねじれ」があっても、
これは守られて、議長は民主党から選出されることになりました。

その結果、参議院の議長に、民主党の江田五月氏が就任しました。
これで、議会運営の主導権を、民主党が持つことになります。
「「裁判官的機能も必要」江田・参院議長が就任会見」
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1955年の自民党結党以降で初めて同党以外から
参院議長に就任したことについては、「『市民の政治』とか
『政権交代』とか言っている勢力が、参院で多数になり、
議長の役を担うところまできたのは感無量だ」と語った。
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わたしも、感無量ですよ。
1955年以来、自民党以外から議長が出たのは、始めてですし、
本当にこんなことってあるんだ、という感じです。

副議長は、自民党の大量落選のため、人選に苦労したようですが、
山東昭子氏になりました。(このかた、選択別姓の反対派ですね。)
議長候補は、江田氏のほかに、千葉景子氏もあがっていたようで、
正副の議長が、ともに女性になる可能性も、すこしあったみたいです。


参院で民主党が、多数派となったいま、
衆院で自民党が可決した法案に反対するべく、参院で否決するとか、
さきに参院で独自の法案を可決して、衆院に判断を迫るといった、
さまざまな戦略が取れるようになります。
「小沢次の一手とは…民主大躍進60議席「第一党」」

わたしが、関心があるのは、民法改正法案です。
参院で可決する可能性が、きゅうに大きくなったからです。
法案成立のためには、衆院でも可決する必要がありますが、
こちらは自民党が300議席以上あるので、まず無理だとは思います。

それでも、いままでは衆参両院で、野党が法案提出だけして、
まったく審議されずに終わる、「年中行事」と化していましたから、
それからくらべたら、格段の前進と言えます。
ほかにも重要案件が、目白押しと思われますし、
なにより衆院を解散に持ち込むことが、大事になっていますが、
民法改正法案も、審議していただくことを希望するところです。

8月31日に、民主党の新役員が決まっています。
参院から多く採っていますが、与野党逆転していて、
参院民主党は勢力を持っていることを、配慮したと思われます。
「新役員決まる 両院議員総会で」

また、06年9月の役員人事で、副代表入りを断わっていた、
前原誠司氏が、今回は副代表に加わっています。
これで代表経験者がすべて、執行部に入ることになります。
挙党体制で臨むということのようです。

マスコミの扱いですが、8月31日の時事通信は、
「挙党体勢」と中立的な見かたなのですが、
9月1日の毎日新聞は、「バランスを優先し、清新さには欠ける」などと
書いていて、こき下ろしたところがあります。
「大迫力!!小沢新体制「華」も「力」も与党しのぐ 」と、
絶賛の見出しを付けているのは、9月4日の『日刊ゲンダイ』です。

個人ブログでは、つぎのエントリが、中立的と思います。
「小沢人事にその決意を感じる」
http://blog.livedoor.jp/rurounin1/archives/64737297.html


民主党の「次の内閣」の「閣僚」も、9月5日に決まりました。
民主党のサイトには、メンバーの一覧も出ています。
衆院は当選3回以上で、すでに「中堅」とされるのが、
いかにも新しい政党といった感じです。
「【次の内閣】第3次小沢『次の内閣』閣僚が発足」

安倍内閣と政策の摺り合わせをするより、対立点をきわだたせることに、
重点が置かれているのが特徴的でしょう。
参院で法案を可決して、それを政府与党に判断させる
という戦略も、当然ながら採っていく予定になっています。
「次の内閣」は、ご存知のように、イギリスの「影の内閣」に、
ならったものですが、いよいよ本領を発揮しそうです。

時事通信の9月5日の記事には、「小沢首相」「菅副首相」と
書いてあって、とってもかっこよかったりしますよ。
「民主党、「次の内閣」の閣議」
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民主党の「次の内閣」閣議前に笑顔を見せる小沢「首相」(右端)。
その隣は菅「副首相」。
小沢氏は「政策をもって安倍内閣を圧倒する心構えで
臨時国会に臨んでほしい」と指示(5日、都内の同党本部)
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ひときわ注目を惹くのが、「年金担当大臣」が設けられたことです。
このポストはもちろん、「ミスター年金」と言われた長妻昭氏です。
「消えた年金」で有名になった、長妻氏を「党の看板」とする構えです。

気になる民法改正に関するところですが、法相が細川律夫氏です。
次の法務大臣の就任の挨拶を見てみると、「法務に関わる懸案」として、
民法改正、夫婦別姓法案が言及されています。
重要視されているということで、期待できそうです。

「NC法務大臣に就任して」
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いよいよ裁判員制度は再来年にスタートしますし、
新しい司法試験も2度行われるなど、司法制度改革も進んでいます。
また、人権擁護法案、選択的夫婦別姓の民法改正案や、
私の提案した死因究明法案、あるいは尊厳死や国籍問題など、
法務に関わる懸案も山積しています。
弁護士の経験も生かしながら、
分かりやすい議論をしていきたいと考えています。
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子ども・男女共同参画担当相が、神本美恵子氏です。
自民党は「少子化担当相」で、共同参画がつけたしの感じでしたが、
民主党は、「子ども」と「共同参画」が、並列になっています。
「少子化」と言わず「子ども」とするのは、お国のための人口政策ではなく、
子どもの福祉を重点に置いているからでしょう。

2006年6月9日号の『週刊金曜日』に出ている記事を見ると、
神本美恵子氏は、2006年6月に、安倍晋三氏は
バックラッシュの先陣を切っていると、批判したことがあります。
「民法改正、今国会も手つかずの可能性大」
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同じく民主党の神本美恵子議員は、「ポスト小泉と目されている人が
ジェンダーバッシングを行ない、反対派の中心的人物である」と、
安倍晋三官房長官の対応を批判した。
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また昨年11月には、教育基本法の改正に猛反対しそうだというので、
「日教組出身の5人組のひとりにつき要注意」と、
参院自民党から、目のカタキにされたこともあったりします。
なので、信頼してだいじょうぶでしょう。(笑)
http://aqualeafree.blog70.fc2.com/blog-entry-275.html
(現在アクセスできない)
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「5人組に要注意」 参院自民党は、民主党の輿石東、佐藤泰介、
神本美恵子、水岡俊一、那谷屋正義の5氏の日教組出身議員の顔写真と
プロフィルを記したA4判の紙を大量に印刷し、国対委員長室に積んだ。
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それから、推進派でおなじみの小宮山洋子氏が、文部科学相に入っています。
(選択別姓の市民団体が主催した、与党オンリーのはずの院内集会に、
野党議員でひとりだけ、最初から参加していたかたです。)
大臣が伊吹文明氏(「人権メタボ」発言の人で、選択別姓も反対)で、
首相補佐官が山谷えり子氏という、自民党とはまったく対照的です。

参考文献、資料
  • 日刊ゲンダイ 2007年9月4日
    「大迫力!!小沢新体制「華」も「力」も与党しのぐ 」
  • 時事通信 2007年9月5日
    「民主党、「次の内閣」の閣議」
  • 週刊金曜日 2006年6月9日号
    「民法改正、今国会も手つかずの可能性大」(坂本洋子)

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