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アポロ計画陰謀論(2)
捏造と言われる根拠は...
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「アポロ計画はでっちあげだ」という説の「根拠」は、
写真や動画といった、映像に関係するものが多くなっています。
NASAの陰謀だというかたたちに言わせると、
映像には違和感があり、実際のお月さまではなく、
地球上に作った撮影用のセットだろう、というのです。

地球は大気が濃いですから、遠くのものほど、
空気による光の散乱で、物体はぼやけて見えます。
このぼやけ具合で、わたしたちは、遠近感をつかむようになっています。
ところが、お月さまには空気がないですから、遠くのものでも、
ぼやけないで、はっきり見えることになります。

それで、地球の景色を見慣れている、わたしたちは、
お月さまの景色を見ても、距離感がつかめなくて、
数100メートル先の大岩が、近くの小石に見えることがあります。
また遠くの景色が、近くにあるように見えるので、
壁に描かれた背景のように、感じてしまったりもします。


くわしくは、前にご紹介した月探査情報ステーションのサイトや、
と学会レポートの『人類の月面着陸はあったんだ論』を、
見ていただくことにして、ここでは、主だったものを、
簡単にご紹介しておくことにします。

つぎの2枚の写真は、背景の山がまったく同じなので、
手前の部分を入れ替えただけで、じつはおなじ場所だと言われるものです。
これらは写真水平方向に、数100メートル移動して撮っています。
それで、左の写真にある月着陸船は、右の写真には入らなくなりますが、
背景の山は、はるか数キロ先にあるので、変化しないだけです。

月には空気がないため、遠くの山でもはっきり見えて、
写真のように近くに感じるという、ひとつのサンプルです。
http://moonstation.jp/ja/popular/story03/background-1.html

 


これは真ん中に、撮影セットの継ぎ目が入っていると、
言われる写真ですが、じつは地平線が見えているだけです。
背景の山は、壁に描かれたのではなく、地平線の向こう側にあります。
地平線にしては近いようですが、お月さまは小さいので、
地球の場合より近くに見えることになります。
http://moonstation.jp/ja/popular/story03/horizon.html




つぎの左側の写真なんて、「おや?」っと思いませんか?
手前の石と、向こう側の着陸船とで、影の方向がぜんぜん違います。
だから光源は、高いところにある太陽ではなく、
もっと低いところにある、撮影用のライトに違いないのだそうです。
http://moonstation.jp/ja/popular/story03/parallel_shadow.html

じつは、日没の直前か、日の出の直後で、
太陽が低いときに、影の垂直方向から眺めると遠近法の関係で、
地球でもどこの星でも見られる現象だったりします。
地球でも同じことが起きている写真を、右側に並べておきます。
手前の人間と、向こう側のトラックや馬とで、
影の方向が違っているのがわかるでしょう。

それでも、地球の写真は自然に見えるけれど、お月さまの写真は、
違和感があると、おっしゃるかたもいるかもしれないです。
これも空気がなく、距離感がつかみにくいので、
着陸船が、実際より近くにあるように見えるためです。

 


これは距離感とは関係ないのですが、
よく引き合いに出される写真として、つぎのものがあります。
空気がないのに、星条旗がはためいて、おかしいと言われるものです。
これは旗の上辺を支えるポールを、延ばし切っていなくて、
旗にしわがよっているだけだったりします。
http://moonstation.jp/ja/popular/story03/flag.html

動画もあって、それを見ると、実際に旗がなびいていると、
言われるのですが、これは旗を立てるときに、
いっしょに動いているものです。
手を離してもまだ動いているのですが、空気がないので、
摩擦で減速されず、いつまでも動くことになります。





だいたい、写真を撮るのに失敗したと思ったら、
もう一度撮り直せばよいだけのことです。
ハッセルブラッドという、ブランドもののカメラを使っていたとはいえ、
アポロ計画に当てられた予算を考えれば、
フィルム代くらい、いくらでも出せるでしょう。
そこへもってきて、見ただけでいんちきとわかる写真を、
わざわざ公開するのはなぜなのか、まったくわからなくなります。

「写真はどれも鮮明で、構図がよいから捏造だ」などと言う人もいますが、
大量に写真を撮った中から、鮮明で構図がよいものを選んで
発表しているのですから、あたりまえのことです。
人様に見せるのに、見栄えの悪いものを、選ぶこともないでしょう。

じつは、写真だけは、完璧なものが撮れるようにしておこうと、
宇宙飛行士たちは、カメラを扱う練習を相当にこなしてきました。
よって上手に撮れて、あたりまえだったのでした。

参考文献、資料

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