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アポロ計画陰謀論(2) 捏造と言われる根拠は... [1] [2] [3] [4] [5] [6] |
「アポロ計画はでっちあげだ」という説の「根拠」は、 写真や動画といった、映像に関係するものが多くなっています。 NASAの陰謀だというかたたちに言わせると、 映像には違和感があり、実際のお月さまではなく、 地球上に作った撮影用のセットだろう、というのです。 地球は大気が濃いですから、遠くのものほど、 空気による光の散乱で、物体はぼやけて見えます。 このぼやけ具合で、わたしたちは、遠近感をつかむようになっています。 ところが、お月さまには空気がないですから、遠くのものでも、 ぼやけないで、はっきり見えることになります。 それで、地球の景色を見慣れている、わたしたちは、 お月さまの景色を見ても、距離感がつかめなくて、 数100メートル先の大岩が、近くの小石に見えることがあります。 また遠くの景色が、近くにあるように見えるので、 壁に描かれた背景のように、感じてしまったりもします。 くわしくは、前にご紹介した、月探査情報ステーションのサイトや、 と学会レポートの『人類の月面着陸はあったんだ論』を、 見ていただくことにして、ここでは、主だったものを、 簡単にご紹介しておくことにします。 |
つぎの2枚の写真は、背景の山がまったく同じなので、 手前の部分を入れ替えただけで、じつはおなじ場所だと言われるものです。 これらは写真水平方向に、数100メートル移動して撮っています。 それで、左の写真にある月着陸船は、右の写真には入らなくなりますが、 背景の山は、はるか数キロ先にあるので、変化しないだけです。 月には空気がないため、遠くの山でもはっきり見えて、 写真のように近くに感じるという、ひとつのサンプルです。 http://moonstation.jp/ja/popular/story03/background-1.html これは真ん中に、撮影セットの継ぎ目が入っていると、 言われる写真ですが、じつは地平線が見えているだけです。 背景の山は、壁に描かれたのではなく、地平線の向こう側にあります。 地平線にしては近いようですが、お月さまは小さいので、 地球の場合より近くに見えることになります。 http://moonstation.jp/ja/popular/story03/horizon.html つぎの左側の写真なんて、「おや?」っと思いませんか? 手前の石と、向こう側の着陸船とで、影の方向がぜんぜん違います。 だから光源は、高いところにある太陽ではなく、 もっと低いところにある、撮影用のライトに違いないのだそうです。 http://moonstation.jp/ja/popular/story03/parallel_shadow.html じつは、日没の直前か、日の出の直後で、 太陽が低いときに、影の垂直方向から眺めると遠近法の関係で、 地球でもどこの星でも見られる現象だったりします。 地球でも同じことが起きている写真を、右側に並べておきます。 手前の人間と、向こう側のトラックや馬とで、 影の方向が違っているのがわかるでしょう。 それでも、地球の写真は自然に見えるけれど、お月さまの写真は、 違和感があると、おっしゃるかたもいるかもしれないです。 これも空気がなく、距離感がつかみにくいので、 着陸船が、実際より近くにあるように見えるためです。 |
これは距離感とは関係ないのですが、 よく引き合いに出される写真として、つぎのものがあります。 空気がないのに、星条旗がはためいて、おかしいと言われるものです。 これは旗の上辺を支えるポールを、延ばし切っていなくて、 旗にしわがよっているだけだったりします。 http://moonstation.jp/ja/popular/story03/flag.html 動画もあって、それを見ると、実際に旗がなびいていると、 言われるのですが、これは旗を立てるときに、 いっしょに動いているものです。 手を離してもまだ動いているのですが、空気がないので、 摩擦で減速されず、いつまでも動くことになります。 だいたい、写真を撮るのに失敗したと思ったら、 もう一度撮り直せばよいだけのことです。 ハッセルブラッドという、ブランドもののカメラを使っていたとはいえ、 アポロ計画に当てられた予算を考えれば、 フィルム代くらい、いくらでも出せるでしょう。 そこへもってきて、見ただけでいんちきとわかる写真を、 わざわざ公開するのはなぜなのか、まったくわからなくなります。 「写真はどれも鮮明で、構図がよいから捏造だ」などと言う人もいますが、 大量に写真を撮った中から、鮮明で構図がよいものを選んで 発表しているのですから、あたりまえのことです。 人様に見せるのに、見栄えの悪いものを、選ぶこともないでしょう。 じつは、写真だけは、完璧なものが撮れるようにしておこうと、 宇宙飛行士たちは、カメラを扱う練習を相当にこなしてきました。 よって上手に撮れて、あたりまえだったのでした。 |
参考文献、資料
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