『アイスクリームの歌』という歌があります。
おとぎ話の王子でも、むかしはとても食べられない
アイスクリーム、アイスクリーム
ぼくは王子ではないけれど、アイスクリームを召し上がる
わたしは、子どものころ、この歌を聴いたとき、
低温を作り出すことが、むかしはできなかったから、
アイスクリームが作れなかったのだと、思いましたよ。
(あるいは、親とそういう会話をしたのかもしれないです。)
「温度の低いほうから高いほうへ、熱はひとりでに流れない」
という熱力学の第2法則ですね。
「おとぎ話の王子」という、フィクションの
高貴なかたでも、「とても食べられない」ことが、
低温技術のむずかしさをよく表していると思います。
いまではアイスクリームは、わたしのような
名もない庶民の子でも、ふつうに食べられます。
これは冷蔵庫という、家庭で簡単に低温を作り出す装置があるからです。
ここに「科学技術の恩恵」を、子どものころのわたしは感じたのでした。
むかしでなくいまの時代に産まれてよかった、
なんてなことも、思ったりしたものです。
ところで、核兵器や環境破壊をあげつらって、
ちょっと古典的な反科学を叫ぶ人たちが、いらっしゃります。
こうした人たちは、子どものころに、
こんなことは、考えたことがなかったのかな?なんて、
ふと思うこともあります。
|