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「信じやすい」と「流されやすい」

信じる、流される

07年1月に、人気健康情報番組だった、「発掘あるある大辞典」で、
ダイエットに関するデータの捏造が発覚して、大騒ぎになりました。
むかしから、データの捏造や恣意的扱いが、ひどかったのですが、
番組は信頼をなくすことなく、人気を博し続けてきました。
「納豆」の回で、ようやく足がついて、番組打ち切りになったのでした。

「あるある」のでたらめぶりを、やっと知った、
長年のファンのかたたちは、怒りと悔しさでいっぱいでした。
ところが、このようすをご覧になって、
「ちょっと考えれば、トンデモないことはすぐにわかるのに、
自分で考えないで、安易にマスコミを信用するからだ」と、
お思いになったかたも、いらっしゃると思います。

さらには、こんなふうにして、マスコミの言うことを、
簡単に「信じて」「流される」のが、日本のポピュリズムであり、
郵政選挙で、コイズミ自民を快勝(怪勝?)させた、
原動力にほかならないと、ご立腹のかたもいらっしゃることでしょう。
「あるある大事典『納豆ダイエット』はねつ造」でわかる日本人の民度

 
ところで、マスコミの言うことを、「信じやすい」のは、
日本人だけなのかというと、かならずしもそうでもないようです。
アメリカでも、「キャトル・ミューティレーション(家畜の大量死)」
という集団妄想が、10年くらい続いたことがあったのですが、
これにはマスコミの影響も、大きかったと言われています。

また、ブッシュ現大統領が、2期続けて当選したのも、
メディア戦略に負うところもあると、言われています。
こうしたことを見てくると、アメリカ人も、マスコミの言うことを、
「信じやすい」ところがあると言えそうです。


日本だけに、特徴的なことはなんなのかと言うと、
社会がわりあい平和であり、隣人がおおむね信用できるので、
他人の情報をそのまま信じても、さしつかえがないことでしょう。
たとえ、その情報にまちがいがあっても、それを信用したところで、
命にかかわるとか、深刻なこともあまり多くないようです。

これに加えて、日本人は付和雷同的ですから、
他人の目を気にして、「右にならえ」という国民性があります。
それで、深く考えなくても、周囲と同じことをしていれば、
さほどコストがかからずに、快適に過ごせることになります。
マスコミの発信する情報も、大勢の人に見せることだから、
受け入れてもだいじょうぶだろうと、流されやすくなることになります。

外国では、信用できない人は、比較的身近なところでもざらにいます。
また、他人と同じにすることが、かならずしも好ましいとはされません。
それで、マスコミの情報も、「言っていることは信じるけれど、
自分には必要がないから買わない」のように判断して、
流されないことも、すくなからずあるもののようです。


「信じやすい」と、「流されやすい」は、わけて考えたほうがよいでしょう。
日本の教育水準は、他国と比べて、とくに遅れてはいないですから、
情報を判断する知識は、じゅうぶんあるのだと思います。
「信じやすい」は、他国の国民と比べても、それほどひどくはなさそうです。
ところが、「流されやすい」は、社会風土や、国民性によるところが大きく、
日本人がきわだっているのかもしれないです。

こうしたことを、つぎの掲示板で、お話していただいて、
「なるほど...」と、わたしは感心してしまったのでした。
http://otd11.jbbs.livedoor.jp/1105014/bbs_plain?base=13477&range=1
http://otd11.jbbs.livedoor.jp/1105014/bbs_plain?base=13491&range=1

謝辞

「あるある掲示板」で、わたしの疑問にお答えしてくださった、
Tama-miさまには、お礼をもうしあげるしだいです。

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