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9.11同時テロ自作自演説
自作自演と言われる「根拠」は...(1)

自作自演説の由来
おもに日本で流布している、9.11同時テロ陰謀論は、
もとをたどると、2本のDVDにたどりつきます。
『911ボーイングを探せ』と、『ルース・チェンジ』で、
「自作自演」の根拠の多くは、これらの作品が原典になっています。
どちらも原作は英語で、アメリカ人が作ったものです。

『911ボーイングを探せ』の原題は、『911 in plane site』、
作者は、デイブ・ヴォン・クライストという人物です。
『ルース・チェンジ』の原題は『Loose Change(小銭)』、
作者は3人で、ディラン・エブリーという人物が監督です。
この『ルース・チェンジ』は、「9.11同時テロは、
イラク戦争の口実のためになされた自作自演」という説を、
広めるのに、役立った作品でもあります。


日本語版は、きくちゆみ氏が主催する、
グローバルピース・キャンペーンが作っています。
2作品とも、2000-3000円程度で、売られているのですが、
コピーしてどんどん広めてもかまわないようで、
「真実を広めたい有志による寄付」ということなのでしょう。

これら2本のDVDは、すでに公開されている市販のビデオや、
新聞、雑誌に出ている写真を使っていますが、
これらは、恣意的に切り取りした「トリミング」です。
もちろん、もとの作者の著作権など、平気で無視しています。

したがって、「自作自演」と言われる「根拠」は、
映像に関係したものが、多くなっています。
くわしいことは、前にご紹介のサイトや、
このページの最後にかかげた参考文献を、ご覧いただくとして、
ここでは、おもなものだけ、お話しておきたいと思います。

WTCに飛び込んだのは軍用機?
つぎの左側の写真は、世界貿易センタービル(WTC)に、
飛び込もうとする、ユナイテッド175便の写真で、
日本のメディアでもよく使われたものです。

右側の写真は、左側の写真を拡大したもので、
『911ボーイングを捜せ』の日本語版公式サイトの下のほうの、
黒地になっている「このビデオが投げかけるナゾの数々...」の
上から9番目に載せられているものです。

陰謀論者に言わせると、窓がなく機体が真っ黒なので、
民間の航空機ではなく、軍用機だという証拠になるそうです。
公式サイトには、「2度目の衝突を目撃したFOX Newsの社員が、
民間のユナイテッド航空の175便に窓が見あたらないと
報告したのはなぜだろう?」と、書きそえられています。

 

ところが、つぎにもっと大きく写った、ユナイテッド175便の
写真(左側)があるのですが、尾翼のところが青くなって、
ユナイテッドのロゴらしいことがわかります。
また右側の写真のように、破壊された残骸の中に、
窓があるとわかるものもあります。
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/ua175.html

 


陰謀論者たちは、飛行機の下に黒いふくらみがあるので、
ここにミサイルが積まれている、などとも主張します。
これは、光線の加減で黒くなっているだけで、
下部着陸ギアが格納されているところだったりします。
http://www.questionsquestions.net/WTC/pod.html#fairing

ほかにも、WTCに飛行機が飛び込むとき、閃光が見える映像が
あるのですが、これは、ミサイルを撃ったのであり、
やはり軍用機だったのだ、などと言われることもあります。

飛行機ごとビルに飛び込もうというのに、
わざわざ、直前でミサイルを撃つ必要が、わからないです。
また、はじめからミサイルを撃つつもりなら、
ビルに飛び込むはずもないでしょう。
さしずめ、機体とビルが擦れるときの摩擦で、光ったのでしょう。
http://www.questionsquestions.net/WTC/pod.html#flash

ペンタゴンの穴
陰謀論者たちが、とても大好きな「疑惑」で、
とりわけ力説するのが、「ペンタゴンの穴」です。
ペンタゴン(国防総省)の建物には、ボーイング757機が飛び込みました。
つぎの2枚の写真は、ジェイソン・インガソル氏が撮った事故現場です。
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/fotosource.html#jason

陰謀論者に言わせると、翼の幅が38メートルもある
飛行機が突っ込んだとすると、開けられた穴の幅が狭すぎるので、
ボーイングが飛び込んだのではないのだそうです。
実際、これらの写真を見ていると、狭く感じるので、
「陰謀論者の言う通りか?」と、思ってしまいそうです。

 

左の写真は、水がまかれていて、1階がわかりにくいです。
右の写真は、左のほうが暗くなって、やはりわかりにくいですが、
同じ場所を大きく写しているのが、つぎの写真です。
わかりやすくするために、赤線で穴のかたちをしめしています。

緑文字の「8」「11」「15」「18」は、柱の番号をしめしています。
1階のところは、8から18までが穴なので、
じつはかなり広いことがわかります。
(ピンクで囲った消防士とくらべると、わかるでしょう。)
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/crater0.html




『ペンタゴン・レポート』によると、穴の横幅は約27メートルで、
つぎのように、42度の角度で飛び込んだとされます。
丸で囲んだ数字が、柱の番号です。
ななめの黒い斜線がついたところが「Collapsed Area」、
すなわち、あとから崩れ落ちた部分です。
下の小さな模式図の、紫の矢印でしめした部分です。





それでも穴は小さい?
それでも、穴が小さいぞと、言うかたもいますが、
右の翼のさきが当たったのは、穴の外側、
柱番号18から20のところだ、ということをしめしておきます。
柱19の下のほうに、翼と当たって折れたらしき痕があります。
http://www.geocities.jp/finalflight77/6.html

あるいは、左右の翼は後ろにそっていますから、さきは壁に当たらず、
折れて機体といっしょに、中に引き込まれたとも考えられています。
垂直尾翼が当たった痕が、3階にないからおかしいとも、
陰謀論者たちは言いますが、尾翼も根元がさきに当たりますから、
やはり折れて、建物の中に引き込まれたのでしょう。 

ほかにも、建物の手前にある、高速道路の街頭が、
全部で5本なぎ倒されていますが、これらから、飛び込んだ物体は、
どう小さくみても、幅が30メートル以上と計算されます。
陰謀論者の考えるような、小さな物体ではないことがわかります。
http://www.geocities.jp/finalflight77/2.html

また、建物の前の芝生は、まったくダメージがなく、
飛行機がこすった痕がないからおかしいと、
陰謀論者たちは、言うこともあります。
これは飛行機が、地面すれすれを飛んだからですが、
よく芝生をこすらなかったと、わたしも驚異的だと思います。


さらに、ペンタゴンの建物に、ボーイング757機が
飛び込む瞬間が映っている、決定的なビデオもあります。
これは、建物の敷地の北西の角にある、
駐車場を監視するカメラが捕らえたものです。
ものすごい勢いで、飛行機が突っ込んでいるのがわかりますよ。
http://www.geocities.jp/finalflight77/5.html

日付けがテロのつぎの日の、9月12日になっていますが、
おそらく、べつの媒体に移したとき、ついたものと思われます。
また、公開されたのが02年3月で、テロから半年も経っているから、
このビデオは捏造だ、などという陰謀論者もいます。
これは隠しカメラですから、場所を知られたくなくて、
ずっと公開できなかったのでしょう。



参考文献、資料
  • 『陰謀論の罠』
    • 20-31ページ:陰謀論のもとになった、2本のDVDの由来。
    • 36-41ページ:WTCに飛び込んだのが、軍用機でないことが示されている。
    • 71-77ページ:「ペンタゴンの穴」。

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