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9.11同時テロ自作自演説 自作自演と言われる「根拠」は...(2) |
スティーブ・ジョーンズ氏
スティーブ・ジョーンズ氏という、 ブリガム・ヤング大学の、物理学の教授がいますが、 このかたも、同時多発テロの、自作自演説を主張しているのです。 彼に言わせると、飛行機が飛び込まなかったWTC7は、 自作自演の証拠を抹殺するために、爆破解体したのだそうです。 科学でご飯を食べているかたでも、「とんでも」に ひっかかることは、残念ながらときどきあるので、 その意味では、いまさらおどろくことでもないです。 しかし、本来信頼されるべき人が、おかしなことを言うのは、 衝撃がありますし、陰謀論者を励ますことにもなって、 大いに問題があると、言わざるをえないでしょう。 たしかにWTC7は、飛行機が突っ込んでいないのですが、 WTC1から飛んで来た破片が当たり、南側の壁に亀裂が入りました。 これがもとで火災が起き、WTC7は崩れています。 爆破解体をされたのでは、まったくないですよ。 そもそも、WTC7は地上47階の高層ビルですから、 爆破解体するとなると、相当の火薬がいるはずです。 ビルの柱の横にある、キャビネット全部に 火薬を仕掛けたところで、とても柱までは壊せないからです。 また、火薬や発破の機材は、フォークリフトを使う必要もあります。 ビル内にいるたくさんの人に、気付かれないはずもないでしょう。 世界最大の爆破解体は、2000年3月26日に取り壊された、 シアトルのキングドーム劇場ですが、WTCも爆破解体された 「証拠」として、陰謀論者もよく引き合いに出すものです。 ここで使われた火薬は2129kg、発破用ケーブルは34.8kmで、 機材のセットのために、5905箇所に穴が開けられたのですが、 こういう事前準備のことは、なぜか陰謀論者は言わないのでした。 http://jp.youtube.com/watch?v=y6wpU6OGM68 それから、WTC7とほぼ同じ大きさのビルである、 シカゴのJ. L. ハドソン・デパートを爆破解体したときは、 1233kgの火薬を、12人で24日がかりでセットしています。 ジョーンズ氏は、約900kgの火薬を数人でセットすれば、 WTC7の解体はじゅうぶんと言っていますが、 それではぜんぜんたりないことがわかるでしょう。 http://www.1101.com/suzukichi/2006-09-12.html |
WTC7爆破解体の証拠?
下の左側の写真は、WTC7が爆破解体された証拠として、 スティーブ・ジョーンズ氏も、紹介しているものです。 右側後方の赤いビルがWTC7で、前にWTC4とWTC5があります。 WTC4のさらに左の瓦礫は、WTC2が崩れたものです。 http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/7wtcfireev.html 陰謀論者によると、この写真は、午後に撮影されたもので、 このときすでに、崩れているはずのWTC7が、 まだダメージを受けていないので、 じつは火災はなく、あとから爆破解体したのだそうです。 ところが、右側のように、WTC7に火災が起きている写真があります。 番号(1)がついた赤いビルがWTC7です。 これは、FEMA報告書の5章、図5-17で、撮影時間は15時36分です。 WTC7はやはり午後になって、火災で崩れ落ちたとわかります。 http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/7wtcfireev2.html 左の写真を見ると、WTC5もダメージをまだ受けていないです。 WTC1の破片が当たって、WTC5は火災が起きていますから、 この写真は、WTC1に飛行機が飛び込む前、 朝の10時29分より前であり、ジョーンズ氏たちが言うように、 午後に撮影されたのではないことがわかります。 WTC7が崩れていなくても、なんら矛盾はないことです。 ちなみに、左の写真は、写っている建物の配置から、 「教会通り」をはさんで向かいにある、 「1. リバティ・プラザ」の北西の角から写したと考えられます。 (ジョーンズ氏は、WTCプラザの中から写したと言っている。) また、WTC4の前に、旗竿が5-6本見えますが、 教会通りに面したところに、並べて立っていたのでしょう。 右の写真は、(2)が世界金融センター第3ビル(WFC3)で、 (3)がウィンター・ガーデンなので、「西通り」をはさんだ向かい、 世界金融センター(WFC)の敷地から写したことがわかります。 WTCプラザの地図で、それぞれの撮影場所を、確認されたいと思います。 |
参考文献、資料
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