アメリカ合衆国や、オーストラリアなどでは、
国籍(市民権)のない、まったくの外国人どうしの結婚でも、
長期滞在ではなく、短期の旅行者であっても、
婚姻届けを出せば、その国の法律婚を認めるようになっています。
これは、たとえば訴訟になったとき、だれさんとだれさんが、
結婚していることを証明せよ、という事態になっても、
面倒が起きないようにするためだと、言われています。
日本では、婚姻の記録は、戸籍に書き込むので、
国籍のない外国人でも、婚姻届けを受け付けて、
法律婚を認めるというと、奇妙な感じがします。
しかし多くの国では、「結婚証明書」を発行するので、
外国人にも門戸を開こうと思えば、簡単にできるのでしょう。
日本の結婚式は、単なる儀式というだけで、
法的な効力はないので、法律婚にしたいときは、
式とはべつにお役所へ行って、婚姻届けを出す必要があります。
外国では、結婚式のときに、いっしょに婚姻届けも出せる、
「リーガル・ウェディング」があります。
短期の旅行者の場合、このリーガル・ウェディングを利用して、
外国で法律婚をするかたも、いらっしゃるようです。
ようするに、新婚旅行を外国にして、現地で挙式ですね。
ところで、外国で婚姻届けを出すときは、
届けを出す国の法律に、もとづくことになります。
世界のほとんどの国は、別姓での法律婚が認められていますから、
希望すれば、別姓で婚姻届けが、受け付けられることになります。
外国で法律婚していたかたは、帰国してから3か月以内に申請すれば、
日本国内の法律婚に振り替えることができます。
日本では、別姓での法律婚は、認められていないですから、
別姓の夫婦が、日本の法律婚に振りかえようとすると、
夫か妻のどちらかの苗字を、選ばざるをえなくなります。
それがいやだというので、わざと振り替えないで、
そのままにしておくと、日本国内では、
法律婚として扱われないことになります。
しかし、届けを出した国では、効力がなくなることはないので、
外国では、法律婚の夫婦として、認められ続けるという、
なんとも奇妙な状態になってしまいます。
|