なにを隠そう、子どものころのたんぽぽは、
恋愛相談というものにあこがれていたのでした。
新聞や雑誌に恋愛相談が載ることがあるじゃないですか。
それに対して回答するのを、ぜひともやってみたいと
わたしは思っていたのですよ。
もちろん回答をするからには、
相応の知識と経験が必要だとは思っていました。
その程度には現実的ではあったわけです。
それなので、機会だけでなく知識と経験も
得たいものだと、わたしは思っていたのですが。
ときは流れてインターネットの時代、まだ電子掲示板が、
ネット上の交流の主流だったころでした。
わたしは、ちょっとした偶然から、
恋愛相談の掲示板なるものを見つけたのでした。
そこでは、恋愛についての雑談もありましたが、
恋愛の悩みや困ったこと、訊きたいことを投稿するかたが多く、
掲示板のほかの参加者が自由にそれにアドバイスをする、
ということをしていました。
わたしも、そのころには人並みに恋をして
失恋をして、一通りの経験はしていたつもりでした。
それなので、自分も他人の恋愛の悩みに対して
投稿をしてもよいのではないかと思いました。
そこで、自分にも答えられるところから、
すこしずつ、投稿をしていったのでした。
そして、もともとそういうことに興味のあったわたしは、
どんどんのめり込んで行ったことは、
言うまでもないだろうと思います。
かくして、恋愛相談の回答をするという、
かつてあこがれていたことが、
意外なかたちで実現したのでした。
わたしのような一般の人間でも、このように夢がかなって、
インターネットというのはとても便利なものだ、
いい時代になったものだと、実感したものです。
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