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恋愛相談賛歌

なにを隠そう、たんぽぽは、恋愛相談が好きです。
(え、隠すまでもなく、イメージ通りだって? そうかあ...)
いにしえの日のわたしは、新聞や雑誌に出てくる恋愛相談を見て、
たんぽぽも、こんなアドバイスをしてみたい、なんて思ったものでした。

インターネットの世界には、電子掲示板を利用した、
恋愛相談のサイトが、いくつかあります。
一般のサイトと同じく、個人が趣味や興味で立ち上げるものですが、
だれでもお悩みのあるかたが、投稿して、
それに回答できるかたが、自由にレスをするというものです。

たんぽぽは、インターネットをはじめた最初のころ、
この恋愛相談の掲示板に、熱中していたのでした。
まがりなりにも、自分の希望がかなったのでして、
世の中便利になったものだと、インターネットの普及を
ありがたくも思ったりしたものです。


ネットの電子掲示板を使った恋愛相談には、いくつか利点があります。
紙メディアとちがって、不採用にならないので、だれでも投稿できます。
こうした回答には、各人の考えや感覚による偏りが生じるものですが、
何人もの読者がレスすることで、バイアスが緩和されることになります。
匿名性が高いですから、打ち明けにくいことも言いやすくなる、
ということは、言うまでもないでしょう。

とうぜんながら、困ったこともいくつかあります。
ネットの掲示板ですから、「荒らし」に見舞われることがあります。
そこまでいかなくても、無責任な人が投稿することもありえます。
また、回答するかたもしろうとで、カウンセリングなどの
知識があるわけではないですし、そのつもりでなくても
無神経なことを言って、相談者を傷つけたりするかもしれないです。

ほかに、回答したかたどうしで議論になると、論争化して、
相談されたかたの悩みが、そっちのけになることもあるようです。
(掲示板によっては、回答者どうしのレスを、
お断わりにしていることもあります。)

これをご覧のかたで、電子掲示板の恋愛相談を利用しようと
思っていらっしゃるときは、これらのリスクとメリットを、
よくお考えになることを、お勧めしたいと思います。
しばらくその掲示板を見て、どういう人たちが
集まっているかとか、雰囲気を見定めておくといいでしょう。

さて、この恋愛相談なのですが、まともに回答しようとすると、
なかなかむずかしいことがわかります。
相談者の書いた短い文章だけで、状況を把握して、
当事者でもわからないことに、お答えしなければならないからです。
(相談されたかたが、必要な情報をすべて書いていないこともある。)

自分自身にも、経験はいるのはもちろんです。
また、他人の気持ちや考えを理解したり、相談されたかたの
立場や事情も理解して共感する力量も、必要になってきます。
自分が直接経験したことのないケースにも、
回答するとなると、なおさらこれが必要になるでしょう。

さらに、話題の関連から、ジェンダーや家族のことが出てきますから、
この方面の知識を増やす機会も、出てくることになります。
余談ですが、わたしは、恋愛相談を読んだり、
自分でアドバイスを書いたりすることで、男性の心理や視点とか、
ものの考えかたを、だいぶ知ることができたように思います。


それからこれも、わたしだけかもしれないですが、
副産物として、世の中のいろいろな人たちの、さまざまな生活の一面について、
ネットを介してとはいえ、触れることになるので、
疑似人生体験にもなるということがあります。
わたしは、浮き世離れしていて、世間知らずなところがあるのですが、
ネットの恋愛相談で、まがりなりにも(よい意味で)世間ずれして、
世の中がすこしわかるようになったと思っております。

恋愛相談なんてくだらない(その前に恋愛がくだらない?)と
お思いのかたも、これをご覧の中には、いるかもしれないです。
本気でやろうとすると、人間の心理なんかを、
まじめに考察することにもなりますし、こうして見ると、
恋愛相談あなどりがたしと、わたしなんぞは思ってしまいます。

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