犬は人間に忠実で、警察犬や盲導犬がいたりと、
人間に役に立つお仕事をするけれど、
猫は人間の役に立つお仕事をぜんぜんしない、
ということは、よく言われることだと思います。
これに対して、猫はかわいければいいのだとか、
かわいいことが猫のお仕事だとか、反論する人がいたりして、
「犬派」と「猫派」とのあいだで、生産性がなさそうな(?)議論が
なされることもあったりします。
「猫の手も借りたい」なんてことばもあります。
猫は人間に役立つお仕事をしない動物の
代表のように扱われる、ということなのでしょう。
ところが、『ねこのごんごん』という絵本には、
「猫の仕事」なるものがはっきり示されているのです。
その名も「ねずみを捕まえること」。
主人公のごんごんは、「ねずみを捕まえることが
猫の仕事だ」と、「ちょん」から言われて、
「猫の仕事」を一生懸命やるようになります。
「猫の仕事」をこなすことが、ステータスにもなっています。
もともと、人間が猫を飼いはじめたのは古代エジプトで、
倉庫に保存している穀物を食い荒らす、
ねずみを捕まえるためだと言われています。
したがって、「ねずみ捕まえること」というのは、
由緒正しき「猫の仕事」であると言えるでしょう。
ところで、『ねこのごんごん』という絵本には、
「のん」という犬が出て来るのですが、
いつもいやみを言うし、「ちょん」が亡くなってからは、
なにも教えてくれないのにやたら威張るという、
とても嫌な性格だったりします。
ようするに『ねこのごんごん』の世界では、
犬が役に立たない動物であり、猫が仕事があって
人間の役に立つ動物になっているわけです。
さあ、どらちゃんも見習うのよ!
「猫がネズミを捕まえる」
「猫が鼠を追いかけた」
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