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改姓を利用した犯罪

夫婦同性強制制度の悪用

結婚や離婚などによって苗字が変わると、
同一人物性の識別がやりにくくなるので、
犯罪に悪用することができるのではないか、
と考えるかたもいらっしゃると思います。

実際に、改姓を悪用した詐欺というのはあって、
ときどき新聞記事になることもあります。
以下のふたつのケースは、どちらも保険金を
だまし取るのが目的で、殺人事件にまで発展しています。

[1] 「自殺偽装殺人 改姓2度強要か」
[2] 「養母、養子縁組などで8回改姓 大阪の保険金詐欺事件」


[1]のケースでは、本人ではなく他人(被害者)に
結婚改姓を強要しています。
容疑者はこの被害者に、自分の会社に入社させたりもしていて、
いったいどういう関係なのか、被害者は容疑者に
弱みを握られていたのか、とも思います。

被害者の結婚は2回とも、容疑者による偽装とあります。
結婚相手はどうやって選んで、どのように
お話をつけたのかとか、気になるところもあります。
またこの容疑者は、自分の死亡届けを提出をしたことがあって、
戸籍制度の欠陥も利用していると言えます。

[2]のケースでは、犯人の養母は結婚だけでなく、
養子縁組も使って、合計8回も改姓をしていました。
こんなに何度もくりかえし苗字を変えて、
自分で自分の名前が管理できるのかと、
他人ごとながら心配をしてしまいます。


いまの日本では、結婚や養子縁組によって
苗字を変えることが簡単にできます。
(というより、改姓が強制されます。)
ところがこれらの事件のように、詐欺や殺人の足が
つかないようにするために、改姓を悪用することがあるので、
夫婦同性強制の制度は、問題含みだとも言えるでしょう。

とくに日本は、結婚によって苗字を変えるのが
あたりまえという社会通念が強いので、
なおさら結婚改姓が疑われにくく、悪用されやすい、
というのもあるのではないかと思います。

まじめなお話、結婚や養子縁組によって、
簡単に改姓ができることを(他のケースでは
なかなか改姓できないのに)、もっと重く見たほうが
よいのではないかと、わたしは思うことがあります。

このように考えると、夫婦別姓(非改姓結婚)をする、
というのは、対外的に結婚の前と後とで、
同一人物であることを、はっきりさせています。
改姓の悪用をしないことを宣言していて、
社会的にも責任を取っているとも言えそうですね。

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