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東南アジアの苗字と名前

東南アジアの姓名

つぎのページに、東南アジアの国ぐにの、
人名や地名のつけかたについて、まとめられています。
東京外国語大学、カンボジア語専攻の、カンボジア語研究室の
研究室内用サイト(外部の人も読める)で、
学生さんたちに課題として、調べさせたもののようです。
名前−人名と地名(10/23)

ご覧になるとわかりますが、東南アジアの国ぐにの、
苗字や名前の習慣は、かなりバラエティが見られます。
姓名の習慣がわりあい均質な、日本や西欧の感覚に慣れていると、
ちょっとした発見の気分になるかもしれないです。


たとえば、カンボジアでは、姓-名の順で、結婚しても、
姓を変えることがほとんどなく、ふつうは夫婦別姓になります。
子の姓は、父親のものを受け継ぐので、
家庭の中では、母親だけ姓が異なることになります。

中国もそうですが、アジア世界の苗字は、
どの父親の子かを表わしていたものが、派生したものと思われます。
言ってみれば、ロシア人の名前にある、父称のようなもので、
西欧的な家族の名前ではないのでしょう。
だから、結婚して苗字が変わるという発想もなく、
夫婦別姓が原則になるのだと思います。

夫婦同姓が、行なわれているところは、
西洋の習慣を輸入したケースが多いです。
タイでは、家族の名前としての苗字が使われていて、
比較的最近まで、夫婦同姓が原則となっていました。
これは、西洋式のファミリー・ネームが、
「近代化」の一環として、導入されたことによります。


それから、苗字があるというのも、世界共通ではなく、
インドネシアでは、一般の人たちには、苗字がなく名前だけです。
スハルト大統領の名前は、スハルトだけしかないですし、
スシロ・バンバン・ユドヨノも、3つとも名前であって、
どれかひとつが苗字ということではないです。
http://www.inahodou.co.jp/indonesia.2.html

ご先祖さまが貴族階級だと、名前がふたつか3つあり、
庶民だとひとつしかないことが多いようです。
また、キリスト系の洗礼名や、イスラム系の名前がついて、
ふたつ以上の名前が並ぶことも多いです。


フィリピンも、ご他聞にもれず、複合民族かつ複合宗教で、
宗主国の入れ替わりもあったので、スペイン系、アメリカ系、
その他の系(タガログなど?)が、入り交じっています。
その他の系だと、社会的に通用しやすくするために、
アメリカ系の名前を自分で作って、ふだんはそれを名乗る人もいるそうです。

戸籍の名前が、「正しい名前」とされていて、
ほかの名前が、婚前の旧姓でさえ、社会的に使いにくいという、
日本の常識に慣れていると、簡単に名前が作れるのは、
意外な感じがするかもしれないです。

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