子どものいる女性の賃金
日本は賃金のジェンダー格差が大きい国ですが、
子どものいる女性にかぎると、さらに格差が大きくなります。
OECDのジェンダー白書によると、子どもを持つ女性の賃金は、
子どもを持たない女性の51%、半分程度です。
「女性差別賃金をさらに半減する世界最悪の母親ペナルティ賃金-
安倍政権の女性活用は世界最低女性賃金の活用」
男性と比較するとさらに格差が大きくなります。
子どもを持つ女性の賃金は男性の39%、4割以下です。
ほかのOECD加盟国の子どもを持つ女性の賃金は、
子どもを持たない女性と比べて80-90%、男性と比べて70-80%程度です。
日本の子どもを持つ女性は、他国の子どもを持つ女性と
比べて、飛び抜けて低賃金ということです。
子どもを持つ女性に対する賃金における冷遇は、
日本はきわだっていると言えます。
この調査はフルタイム就業にかぎっています。
このほかにさらに低賃金と思われる、パートやアルバイトといった
非正規雇用がたくさんいることになります。
かかる子どもを持つ女性に対する賃金格差は、
日本は雇用や賃金とジェンダーやマリッジステートとの
結びつきが、他国と比べてとくに強いことがあります。
「夫が外で働き、家庭のことは専業主婦の妻」という
高度経済成長期のライフスタイルの成功体験が、
いまだに強く影響していることによります。
「非正規雇用の待遇 性別と働き方にジェンダーバイアス」
性別と働き方の関連性が日本は特に強いことを、
岩上真珠氏の論文は海外との比較によって明らかにしている。
韓国やイタリアは性別規範の強い国として有名だが、
これらと比べても日本は性別と雇用形態の結びつきが強い。
男性は未婚、女性は既婚に非正規雇用が多い
といったように婚姻と雇用形態の結びつきも強い。
こうした雇用体系・雇用環境ゆえに、
既婚男性優遇の賃金体系や、妊娠や出産でそれまでの仕事を
続けられなくなって、低賃金の部署やパートに回ることを
余儀なくされる女性が多くなることになります。
「子を持つと仕事をやめる」
「出産でパートに回される」
「女は結婚で年収が減る」
男は結婚で年収が増える
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