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小泉首相の「犬のように」発言(3)
『サンデー毎日』の発掘
森嶋瑤子氏の告発より

犬のように産む? 犬のように産む?(2) 犬のように産む?(3)
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日本のメディアは無視を決め込んだみたいですが、
イギリスの新聞は報じたので、イギリスにお住まいの日本人は、
これを目にするところとなりました。
森嶋瑤子氏というロンドン在住の文筆家が、
06年1月5日の『タイムズ』の記事を見つけています。

ところが、07年4月に柳沢厚労相の「産む機械」発言があり、
日本のメディアはこれを報じ、世論の批判は沸騰したのでした。
森嶋氏は、コイズミの「犬のように」発言との落差を、
とうぜんながら、不可解と感じます。


はじめ森嶋氏は、日本の人たちは、機械はだめだけれど、
犬ならいいと思っているか、あるいは、
コイズミにはカリスマがあるから
見逃しているのだろうと、思ったようです。

ところが、日本に帰って来て、「犬のように」発言のことを、
友人とお話したところ、だれも知らないと言います。
それで、おどろきつつも、日本で騒がれないのは、
だれにも知られていないからだと、わかったみたいです。

そこで、森嶋氏は、月刊誌『一冊の本』の07年4月号に、
小泉発言のことを、怒りをこめて書いたのでした。
これが、おそらく、日本のメディアではじめて、
「犬のように」発言について触れたものでしょう。
これが、『サンデー毎日』の記者の目に触れることになり、
07年4月29日号で、ようやく日本の週刊誌に載ることになりました。

「岩見隆夫のサンデー時評:『犬のように産め』と失言した人も?」


わたしも、コイズミの「犬のように」発言と、
「明治時代」発言のことは、まったく知らなかったのでした。
インターネットで、たまたま、『サンデー毎日』の記事が、
話題になっているのを見て、ようやく知ったしだいです。

森嶋瑤子氏は、「首相(当時)の失言が巷に聞こえると
問題だと判断し、書かないようにしましょうという
なんらかの報道管制の結果では決してなかった」と、
思いたいと書いていらっしゃいます。
しかし、「岩見隆夫のサンデー時評」でも、言われているのと
同じように、そうではないだろうと、わたしも思います。

前にもお話したように、「犬のように」発言は、
年頭記者会見で、報道関係者の前でなされています。
おそらくは意図的に、記事にしなかったと考えざるを得ないです。

それから、『サンデー毎日』の「サンデー書評」では、
「『タイムズ』紙にこの情報が伝わった経路は
はっきりしない」と書いています。
これも、前にわたしが述べたように、
記事を書いたかたは、東京に駐在とあるので、
年頭記者会見で、直接聴いたのではないかと思います。


「岩見隆夫のサンデー書評」では、「いまからでも十分にニュースである。
日本の新聞、テレビはきちんと報道してもらいたい」と結んでいます。
しかしおそらく、このまま無視黙殺を続けると思います。
(ただし、この「サンデー書評」は、
毎日新聞の新聞社サイトにウェブ版で転載。)

謝辞
『サンデー毎日』の「岩見隆夫のサンデー書評」を、
わたしの伝言板(No. 678)に書き写してくださった、とむ丸さま
まことにありがとうございます。


参考文献、資料

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