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07年都知事選の議論について
擁護者たちの反論(1)

東本さんの記事に対する、共産党サイドからの反論として、
前のページでも、すこし出て来ましたが、
『さるのつぶやき』の07年3月27日エントリがあります。
これは共産党の擁護者たちのあいだでは、
どういうわけか説得力があるみたいです。


はじめのところは、東本氏がはじめに、
「民生費割合」(県全体の財政に対する比率)を、
しめしたことを指しているのでしょう。
志位氏は、ひとりあたりを言っているのであって、
県全体の支出のことを言ったのではない、という主旨です。
========
その、民生費・教育費・衛生費に関する批判は、
批判された方が引用している統計表の見誤りです。
志位氏はあくまでも「一人当たり」のそれらの費用が
東北6県で最低だと言っているのです。
それらの費用の県財政に占める割合ではありません。
========

AMLの議論に出て来たmsq氏も、同じことを言っているようです。
#12763の真ん中あたりの、「まず住民税」からはじまっていますが、
なにが言いたいのかよくわからないです。
「志位氏はひとりあたりを言っていて、その数字は正しい」
ということになるのでしょうか?


ここでの論点は、もともとなんだったかと言うと、
「志位氏の言う主張が妥当なものか?」でしょう。
「志位氏がなんと言っていたか」が、論点ではないですから、
共産党の擁護者たちは、論点をすりかえていることになります。

志位氏の言う「ひとりあたり」は、妥当でなさそうというのは、
前にお話した通りですが、msq氏も、「さるのつぶやき」も、
これはまったく問題にしないのでした。
この場合、意味がありそうなデータは「民生費割合」で、
はじめに述べたように、東本氏が最初にしめしたものです。
「赤旗」の批判になりえていると思いますよ。

エントリの中ほどに3行ある、住民税と民生費の関係は、
前のコンテンツですでにお話した通りです。
========
住民税の話も、その税率が高い低いの話をしているのではありません。
住民税はたくさん取っておきながら、
福祉の費用には最低の支出しかしてないとは何事かということなのです。
========

所得水準が高く、人口の多い宮城県は、ひとりあたりにすると、
福祉の予算は、すくなくすんでいるのかもしれないです。
「さるのつぶやき」は、反論できていないでしょう。
========
一般的に言えば、所得水準が低いほど福祉は必要であり、
それに応じて福祉関係の支出も多くなるということになりますね。
つまり、福祉の水準を同一とした場合、所得水準と福祉の必要性とは
理論的に言う限り反比例することになります。
========(2009年11月06日 04:52)


エントリの後半は、国民健康保険証の取り上げのことで、
全体の半分以上をしめています。
国保障の業務は市町村であり、国の法律にもとづくことが
はっきりしたからだと思いますが、
なんとかして、浅野氏にも責任があることにしようと
必死になっている様子がうかがえます。

前のページでご紹介の「宮城県議会議事録」にある、
浅野知事の答弁を見たかぎりでは、生活が苦しくて
保険料が払えない人から、むやみに取り上げないようにという
配慮がなされていると思います。
「地方自治体」の責任がそんなに問題なら、
浅野さんをたたくのに、時間と労力を使っていないで、
市町村に問うたほうがいいと思いますよ。

また、国保障の取り上げが、宮城県だけでなく、
全国的であることや、滞納者から実際に取り上げた比率が、
宮城県は低いことは、すっかり無視されています。
おそらくこれらは、まったく反論できなかったのでしょう。

msq氏は、ろくに反論できないばかりでなく、
誹謗中傷もひどく、見ていて気分の悪くなるかたも、
いらっしゃるのではないかと思います。
東本氏が反証記事を書くこと自体を、
「「アカ」に対しては高姿勢でよいという態度」とか、
「有権者を非常に愚弄」するとか言っています。

「統計のチラリズム」も、志位を揶揄しているのかと、
最初見たとき、わたしは勘違いしましたよ。(苦笑)
2005年の宮城県のデータだけ見せて、国保証の取り上げ数を
うんぬんするなんて、まさに「チラリズム」ですからね。


また東本氏が、「民生費割合」のデータをしめしたことを、
「煙りに捲く」とか、「トリック」とか、しきりに繰り返します。
こんなのは、志位氏が「ひとりあたり」と言ったのに、
「民生費割合」をしめしたことを楯に取って、
あげつらっているとしか思えないです。

さすがに見兼ねたのか、「そこまで言うなら、
浅野氏のせいで国保証の取り上げが増えたことを
積極的に証明しろ」と言うかたが出て来ます。
(#12261では「逆の証明」と言っている)
ところが、msq氏は、自分で論点を摺り替えておいて、
「論証過程があやふや」などと言って、証明しない口実にまでしています。

いちばんすごいのは、#12765の最後のところ、
「このような時期にこの論証方法で公党の代表者を
批判することは不適切と言えます」と書いていることですよ。
共産党こそ、公党の代表者がじきじきに、
他の候補者のことを、事実をわい曲して批判するという、
まったく不適切なことをしているのですからね。

「AML保存庫」と「さるのつぶやき」は、わたしのブログの
コメント欄で、さつきさんに読むようにすすめられたものです。
さつきさんに言わせると、東本さんのエントリは、
これらの議論で反論されて、終わっているのだそうです。
========
さて、上記に引用した記事こそ事実無根であることは、
かつてAML上で、msqさんにより検証されています。
2007年3月の「AML保存書庫」で読むことができます。
========(2009年11月04日 23:27)
========
このブログ記事の最後に、「さるのつぶやき」というブログによる
批判記事が紹介されていて、併せて読むよう勧められています。
"2007年3月15日 (木) 「浅野批判の誤謬」という誤謬(補充・追加)"
========(2009年11月05日 23:09)

前のコンテンツと、このコンテンツで見てきた通り、
AMLのmsq氏も、「さるのつぶやき」も、ろくに反論できていないことは、
これをご覧のあなたにはあきらかでしょう。
終わっているのは、msq氏たち共産党擁護のほうです。

ついでながら、東本さんのエントリの最後には、
「さるのつぶやき」が、リンクされてはいます。
しかしこれは、おそらく公平性を保つために、
こういうのがあるよと紹介した程度だと思います。
読むことを勧めているようには、わたしは見えませんでした。


そして、さつきさんは、東本さんの記事を
好意的に紹介した、たんぽぽのことを、
「事実をねじまげている」とか「歴史修正主義」とか言うのです。
========
今回のことで言えば、事実をねじ曲げたことについて
有効な反論をなし得ないまま論点ずらしを続け、
誹謗中傷した相手への謝罪から逃れようとしている訳ですから、
まさに歴史修正主義者と同じです。
========(8. Posted by さつき   2009年12月05日 18:27)

それこそ事実無根で言いがかりもはなはだしいです。

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