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血液型性格診断(2)
テレビ局批判は不寛容?

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前のページでお話したように、「あるある2」以来ブームとなった、
血液型性格診断で、こどもがいじめにあうなど、
「ブラッドタイプ・ハラスメント」が深刻化していきました。
視聴者からは、抗議がたくさん寄せられるようになり、
放送倫理・番組向上機構(BPO)も、動きはじめました。

これはマスコミでも取り上げられることになり、
04年11月27日の毎日新聞で、報じられています。
「『性格決めつけ』テレビ番組」
中見出し:「AB型は二重人格 B型はいい加減 根拠ないのに」
「放送倫理・番組向上機構 慎重対応要望へ」
「血液型判断で『いじめ』 視聴者から抗議相次ぐ」


この毎日新聞の記事を見て、「不寛容な社会ですねぇ」などと、
テレビ局に抗議する人たちのほうがケシカランと
言わんばかりのことを、言うかたがいらっしゃったのです。
「懐疑派BLOG」というブログの作者で、「宮藤」氏というハンドルです。
04年11月28日のエントリで、そのことを書いています。
「懐疑派BLOG:血液型番組」

「こんなのは血液型占いとか星座占いみたいなもんで、
てきとーに聞き流してりゃいいじゃん」とか、
「それに基づき差別するバカがいるとしたら」と言っているので、
宮藤氏ご本人は、血液型性格診断など、ぜんぜん信じていないです。
それは、とても理性的なことであり、ひじょうに結構なことです。

ところが、そのような、ご自分を基準にするのか、
血液型性格診断をまじめに信じる人が、
ことのほかたくさん存在することに、思いいたらないようです。
それで、むきになって抗議するほうが、テレビ局の「表現の自由」に、
抵触していると感じて、「不寛容だ」とお考えなのでしょう。

コメント欄でも、同調する意見が寄せられています。
たとえば、抗議をするのは、バランス感覚がない、
などと言っています。(2004-12-09 02:02:58など)
これらのかたたちは、テレビ局を抗議するかたに対して、
「差別、差別と騒ぐ、ヒステリックな人たち」を、連想しているようです。

宮藤氏が自分で引用している、毎日新聞の記事にも、
いじめが起きていることが出ているのだから、じゅうぶん深刻だと、
わかりそうだと思うかたも、いらっしゃると思います。

ところが、宮藤氏は、これにも実感がわかないらしく、
「『差別を助長する』ってのを引っ張り出して、
理論武装するのかな」などと書いています。
「いじめ」は抗議のための方便、くらいに思っている感じです。
さらに、いじめの原因なんていくらでもある、
とまで言って、テレビ局を免責しようとしてもいます。

テレビ局はあきらかに、根拠がないことを放送しています。
それが原因で、いじめにつながったなら、
事実無根のいじめの口実を、作ったことになります。
そこに批判が向くのは、とうぜんのことでしょう。


血液型性格診断の蔓延に対処する、佐藤達哉氏や、
長谷川芳典氏といった専門家たちも、宮藤氏は気に入らないようです。
「こんなのをいちいち信じ込んでる奴がいるとすれば」の、
「こんなの」は、佐藤氏や長谷川氏たちの、言いぶんになると思いますが、
こんな心理学者の言うことを信じて、「血液型性格診断の信者が多い」
と思うほうが、「「知性」を問題視したくなる」と言うのでしょう。

それから宮藤氏は、「科学を装ってるから悪質なのかな」とも、
書いていますが、非科学的なものを、科学的と言うのですから、
うそをついているのであり、それだけでじゅうぶん悪質です。
「懐疑派」を自称するのなら、疑似科学の蔓延に対して、
もっと潔癖になりたいものです。

参考文献・資料
  • 毎日新聞 2004年11月27日
    「性格決めつけ」テレビ番組
    中見出し:AB型は二重人格 B型はいい加減 根拠ないのに
    放送倫理・番組向上機構 慎重対応要望へ
    血液型判断で「いじめ」 視聴者から抗議相次ぐ

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