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TBSの731部隊特集(5)
光誘発性発作
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このほかにも、「意図的な工作」を主張する人の中には、
なにか関係があると思っているのか、
「光誘発性発作」を持ち出すかたもいました。

これも、実際にある生理現象で、光りの点滅を見つめると、
けいれんを起こしたり、気持ち悪くなったりするというものです。
1997年12月17日、『ポケットモンスター』のアニメに
赤の点滅のシーンが出てきて、それを観ていた
子どもたちのあいだに起きて、有名になったものです、と言えば、
ぴんと来るかたも、たくさんいるでしょう。

これはさすがに、新聞記事にはならなかったですが、
つぎのように、ウェブログのコメント欄で、書くかたはいました。
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-218.html
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根拠の無い発言ですね。ポケモンの一件は覚えてますか
赤と青色の光を連続で描写したがために意識不明の重体者が
出たりしたあの件です。
========[2006/08/01(火) 13:29 | URL | ∀zuma]


「光誘発性発作」とは、つぎのページにあるように、
光の点滅のような、強い刺激が眼にかかって引き起こされた、
ニューロンの異常な興奮が、脳全体に広がって、
さらに末しょう神経まで伝わることで、けいれんする現象です。
http://psychodoc.eek.jp/abare/pokemon.html
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子供の場合、脳がまだ未発達で、ニューロン間の遮断も完全ではない。
だから、刺激によって視覚野にかかった過負荷が
ニューロンの異常な興奮を引き起こすと、
たちまちのうちに脳全体に広がっていき、延髄、脊髄を通って
末梢神経系にまで伝わって筋肉の不随意的な運動を引き起こす。
こうしてけいれん発作が起きる。
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これは、脳の発達がまだじゅうぶんではなく、
ニューロン間の遮断もふじゅうぶんな(よく言えばあたまのやわらかい)、
子どものほうが、かかりやすいものです。
成長するにつれて脳が発達してくると、
起きにくくなるので、それほど心配するものではないです。
いずれにしても、光誘発性発作は、「731部隊特集」の映像とは、
なんの関係もないし、無意識とも関係ないです。

どうやら、「TBSの意図的な工作」と騒ぐ人たちは、
脳科学や心理学、精神医学などの、さまざまなことがらを、
ごっちゃにしている感じです。(しかも、誤解も多い。)
安倍のシンパたちは、どのような認識で、「放送権剥奪」などと
いきまいているのか、すこしわかったと思いました。

参考文献、資料
  • サイコドクターあばれ旅 - 「私家版・精神医学用語辞典」
    「ポケモン事件」
    http://psychodoc.eek.jp/abare/pokemon.html

  • この事件は、衝撃が大きかったようで、
    マスメディアでも大きく取り上げられ、騒ぎになりました。
    中には、「サブリミナルと似てますね」(!)などとコメントする
    とんちんかんぶりを発揮する人もいました。
    それでも、わりあい早く専門家が出てきて、適切な対処をしたので、
    見当違いな「アニメ悪玉論」にならずにすんだのは、さいわいでした。

    これを見ていると、脳のことについて概念がごっちゃなのや、
    無意味なバッシングに走ろうとするのは、マスコミ一般もしかりで、
    とくに安倍のシンパだけが、とち狂っているのでもないと言えそうです。
    「こころの働き」とは、それだけつかみどころがなくて、
    わかりにくく、神秘的にも見える、ということなのかもしれないです。

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